ちょっと電話噺とは違うかも知れませんが。。。
数年前のある日、刺し場に電話が掛かって来ました。
「龍元さんですか?つかぬ事をお伺いしますが、彫○先生は今どこにいらっしゃるかご存知ないでしょうか?」
「はあ????知ってるわけないでしょう。ええ、名前は知ってますけど、有名な方ですからね、でも面識はありません。なんでそんな事を私に聞くんです?」
「私、彫○先生に背中を突いて貰ってる者なんですが、突然先生と連絡が取れなくなっちゃって。彫○先生のホームページに龍元さんの名前があったもので、、、もしかしたら知ってるかなと思ったんです。。。」
こんな感じでした。
直ぐに彫○さんのサイトを調べてみると、『彫○一門』というページにナント、刺青芸術工房龍元洞とあります。これでは先ほどの人が藁をもすがる気持ちで電話を掛けて来たのも頷けます。
早速、サイトにある連絡先に電話を掛けてみましたが繋がりません。メールも出しましたが、返事無し。先方のお客さんでさえ連絡が取れないのだから、当然と言えば当然です。
「俺はあの有名な〇〇先生の弟子だ」と弟子を騙るのは良く耳にしますが、師匠を騙るというのはあまり聞きません。また、この彫○さんは、私が彫師修行を始めた頃には既に第一線で活躍されていて、世界的にも有名な人です。
しかし同時に良くない噂でも有名で、それが元で別荘に行ってしまったのか、入院でもしているのか。。。
それからは年に1、2回メールを送ったりしていたのですが、数年後やっと返事が来ました。内容は「言ってる事が分かんないから電話をくれ」
そっちが掛けて来いよ、と思いながらも電話を掛けると
「私、コンピュターの事全然分かんないんですよ〜」
という返事。
私が困惑している旨を伝えて、件の「彫○一門」のページを見てもらいました。
「なんだコリャー?!」
なんだコリャはこっちのセリフです。
その後も「コンピュターの事全然分かんない」の一点張りで暖簾に腕押し、全く埒があきません。結局、「時間を下さい」と言われ、電話を終えました。
その後、しばらくそのままの状態が続いていた、ちょうどその頃、彫○さんのお弟子さんのお弟子さんと知り合いになったので相談してみました。また、彫○さんの別のお弟子さんも紹介してもらってその話を伝えました。
二人とも「そんな人なんですよ、すみません」と呆れ顔でしたが、彫○さんの師匠にも相談してみるとの事。
お二人が動いてくださったのか、彫○さんのサイトは無くなった様です。良かった良かった。
刺青師・龍元
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