令和四年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第二十八社目、茨城県常陸太田市の愛宕神社に参拝しました。
この鳥居の奥に駐車場がありますが、普通車だと結構ギリギリの幅です。
長めの石段を登ってニノ鳥居。
見えて来ました。
拝殿の直前に建物。
神楽殿でしょうか。崖っぷちに建っていて、ちょっと踊るのは怖いけど。
波に兎の彫り物がありました。
鳳凰。鳳が雄で凰が雌と言ったりしますが、どっちがどっちなのかは区別がつきません。
歯がギザギザで恐い顔をしています。
裏へ廻ります。
なんと!御本殿にワイヤーが!
御本殿が傾いています。
亀腹という蒲鉾型の基礎が崩れてしまってます。
胴羽目
右面胴羽目には二十四孝の老莱子がありました。
老莱子は親に孝を尽くし、七十歳を過ぎても五色の模様のある衣を着て赤子のマネをして、親に歳を忘れさせて喜ばせたといいいます。
という事はこの人たちは九十歳位かそれ以上。お二方ともお元気ですな。
背面胴羽目は二十四孝の郯子(剡子)。鹿の乳が両親の眼病に効くと聞いて、鹿の皮を被って鹿の乳を絞ろうとしていたら、猟師に射殺されそうになった、という話です。
てっきり鹿だと思っていたが、人間が突然目の前に現れる。
びっくりして矢を放ってしまいそうです。
右面胴羽目は二十四孝の一番人気を誇る、我らが楊香。
山で虎に出くわし「私を食べていいから父を助けて!」と天に祈ったら虎は行ってしまった、という話です。
背面胴羽目の郯子と入れ替え可能な感じ。
その他の彫り物
向拝には水引虹梁は無く、双龍の彫り物がありました。
手挟みには鳳凰。手挟みとしての部材の役割はほとんど無いと思われる程に繊細な彫りです。
四隅の尾垂木の上には鷹の彫り物がありました。
海老虹梁の持ち送りは 牡丹。向こう側は 菊です。
最初はこのワイヤーにびっくりしてしまいますが、落ち着いて見ると繊細で素晴らしい彫り物が満載だという事に気が付きます。
倒れてしまわない事を切に祈ります。
刺青師・龍元
028(2022.02.20)
コメント
onijiiです。
指先まで丁寧に彫られていて、素晴らしいですね。
写真をじっくり見てしまいました。
自分は支えるをキーワードにしているので、尾垂木
の鷹に大喜びしました。
鳳凰に雄と雌がいたとは初めて知りました。(笑)
今にも壊れそうな状態なので、とても心配ですね。
カンフーの構えみたいですね。
尾垂木の鷹は珍ですね。上部の彫り物が充実していましたが、元々は腰羽目や脇障子にも良い物が有ったのかも知れませんね。
麒麟も麒が雄で麟が雌なんてのがありますね。中国の辞典の康熙字典に記載が有るそうです。こじ付けっぽいですが。唐獅子にも諸説有りますね。たてがみが有るんだから雄の筈ですがね。