令和四年七月下旬 群馬県渋川市の津久田赤城神社に参拝しました
![津久田赤城神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_4590-1.jpeg)
参道の左側から拝殿にかけて工事中 巨石が並び 立ち入り禁止です
![津久田赤城神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_4589-1.jpeg)
安永三年(1774)再建
平成十七年(2005)改修
彫師 関口文治郎 弟子 助次良 徳次良 善次良 傳次良
![津久田赤城神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_4588-1.jpeg)
由緒沿革は不明でしたが 平成の改修時に胴羽目の裏に 関口文治郎と弟子の名前と製作年月が記された墨書きが発見されたそうです よかった良かった
御本殿向拝
![津久田赤城神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7098-1.jpg)
正面扉には三頭身の恵比寿さんと二頭身の大黒さん
![恵比寿 大黒](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7112-1.jpg)
なかなか細かい着物の柄です 立体物にこの手の模様を描くのは難しいです
![大黒様](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7110-1.jpg)
扉脇には鯉の滝登り なんかスイスイ登っちゃってる感じですね
![恵比寿様 鯉の滝登り](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7132-1.jpg)
手挟みの鳳凰
![鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7113-1.jpg)
彩色がナンチャッテになってしまっている神社が多いですが ここのは素晴らしいです
![鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7131-1.jpg)
御本殿右面
![津久田赤城神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_4581-1.jpeg)
太瓶束には邪鬼獅噛み
![邪鬼獅噛み](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7116-1.jpg)
胴羽目は魚がいるので恵比寿天 と誰だろ? 他の胴羽目から考えると一人は寿老人か福禄寿という事になりますが どちらも老人には見えません
![恵比寿と大黒](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7114-1.jpg)
すっかり型に嵌められた という感じの 寿老人 もしくは福禄寿 もしくは 恵比寿さん
![寿老人?](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7150-1.jpg)
〜追記(2022.08.25)よく見るとコチラの方↓の頭が長いので こちらが福禄寿で 青い服の方が恵比寿さんかも知れません
![](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7147-1.jpg)
追記終わり〜
他の彫り物に比べると ちょっと落ちるんじゃないか と思いますが。。。弟子の作品かな? 他のもこんなもんか?
![恵比寿と大黒](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7101-1.jpg)
御本殿背面
![津久田赤城神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_4583-1.jpeg)
脇障子は裏から見るタイプ
![寒山](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7155-1.jpg)
巻物を広げる寒山と箒を持つ拾得は ともに天台山の国清寺にいたとされる伝説的な風狂僧
![拾得](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7156-1.jpg)
胴羽目は「双六をする吉祥天と弁財天 それを観戦する毘沙門天」の筈ですが 双六板がただの木目でまるで大工の道具箱です 塗師は知らなかったのでしょうか? それとも何か意味があるのでしょうか?
![吉祥天と弁財天と毘沙門天](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7121-1.jpg)
「ねえ奥さん ここだけの話 この道具箱には秘密があるのよ」と吉祥天(多分)
![吉祥天](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7142-1.jpg)
「それより この木目の肌ざわり 最高だわ〜」と弁財天(頭に鳥居をつけているので多分)
![弁財天](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7139-1.jpg)
「二人とも 道具箱を撫でまわして何してんの?」毘沙門亀甲が美しい毘沙門天(自信あり)
![毘沙門天](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7144-1.jpg)
大元の絵は 橘守国の絵本故事談の七福神 を参照したのだと思われます
![七福神 橘守国 絵本故事談](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/IMG_9403-1.jpg)
熊谷市の妻沼聖天堂にもほぼ同じ構図の彫り物がありますね 関口文治郎も弟子の立場で参加していたそうです
御本殿左面
![津久田赤城神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_4585-1.jpeg)
左面の胴羽目も 橘守国の絵本故事談の七福神 とほぼ同じ構図で 囲碁を打つ布袋尊と大黒さま(髭が灰色なので もしかしたら塗師は これを寿老人と思っていた可能性あり)
![布袋尊 寿老人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7126-1.jpg)
「あちゃ〜 そう来たか!」
![布袋尊](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7129-1.jpg)
「待ったは無しですぞ」
![寿老人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7130-1.jpg)
太瓶束には右面とほぼ同じ形の邪鬼獅噛み 桁隠しの蝶は珍です
![邪鬼獅噛み 蝶](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7128-1.jpg)
妻沼聖天堂はやり過ぎ感が無い訳ではありませんでしたが 対して ここの彩色の技は素晴らしかったですね
![津久田赤城神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/IMG_7109-1.jpg)
ただ 双六板の木目と大黒天が 惜しかったかなぁ
刺青師・龍元
106(2022.08.24)
コメント
onijiiです。
こちらは群馬のSさんに教わりました。
彩色がとても綺麗ですね。
本職の方が塗ったようですね。
邪鬼獅噛に大喜びしました。(笑)
さすがプロフェッショナルという感じですね。お金も掛けたのでしょう。
同じ様に雨ざらしなのに、ここより新しい筈の妻沼聖天堂の彩色の劣化は悔やまれますね。
こんにちは。群馬探索お疲れさまです。
こちらは左面の彫刻が少々おそまつに見えるので、何だか残念な神社という印象が残ってしまっていましたが、龍元さんの写真でよく見たら彩色が素晴らしいですね!寺社巡りを始めたばかりの頃に行ったっきりなので、改めてよく見に行ってみようと思います。
着物の模様や寒山の持つ手紙、それに双六盤の木目など本当に素晴らしい!弁才天と吉祥天の髪の生え際や布袋さまの胸毛もいいですね(笑)相当腕のたつ方が修復されたのでしょうね。
ところで最近宇賀弁才天探しにハマってまして(笑)
こちらの弁才天の頭に鳥居があったとは!とても驚きました。
情報ありがとうございました。
ここの彩色は専門家という感じで素晴らしいですね。
宇賀弁財天探しですか。さすがShin-Zさん、ピンポイントでかつ手広くやられていますね。