酒呑童子
酒呑童子とは大江山の鬼伝説に出て来る鬼の頭目。その出生については各地に様々な伝説がある。
出生
奈良絵本「酒呑童子」によると、酒呑童子は元々は高貴な生まれで10才の時に比叡山に稚児として入った。
童子は無類の酒好き。仏門の戒律に反するために酒を絶っていたが、鬼踊りの祭礼の時に振舞われた酒を鯨飲してしまった。その晩、童子は鬼の面も取らずにそのまま寝てしまう。次の日の朝、目が覚めた童子は面を取ろうとするが、鬼面は顔の肉にピタリと貼り付いてどうやっても取れなくなっていた。
鬼の姿になってしまった童子は寺を追われ、彷徨う内に茨木童子と出会い、舎弟にする。
大江山の鬼伝説
酒呑童子は多くの鬼を従えて大江山にたどり着いた後、人間への怨みから、都で人をさらって来ては生きたまま喰ったりしていた。
勅命により、源頼光(みなもとのよりみつ)と頼光四天王は、酒呑童子が根城にしている大江山へやって来た。
道中に仏から授かった「神便鬼毒酒(神変奇特酒とも)」という毒酒を鬼達に振る舞い、童子が酔い潰れたところを身体を押さえ付けて首をはねた。
童子の生首は物凄い形相で頼光の兜に食らいつき、そして息絶えたという。
稚児
稚児というのは、平安時代の頃の大規模寺院において剃髪しない少年修行僧の事。皇族や貴族の子弟が行儀見習いなどで寺に預けられる事もあり上稚児と呼ばれた他、頭の良さを見込まれて僧侶の世話をする中稚児、雇われたり売られてきた下稚児がいた。
刺青師・龍元