立川和四郎冨昌 [須須岐水神社と養蚕社] 長野県

須須岐水神社

令和二年六月吉日、長野県千曲市の須須岐水神社に参拝しました。すすきみずじんじゃと読みます。

立派な拝殿です。最近建て替えられた様です。

参拝を済ませて裏へ廻ります。御本殿は嘉永四年（1851）竣工。棟梁は武水別神社と同じ立川流の巨匠、二代目和四郎冨昌。

案内板によると、社殿が火事で焼失した時、たまたま近隣の武水別神社の建設で当地に逗留していた和四郎冨昌に再建を頼んだのだそうです。

二重虹梁間には「力神さま」。武水別神社の力神さまとそっくりです。

網が邪魔だなぁ。

須須岐水神社には他にこれといった彫り物はありませんでした。

養蚕社

が、本命は境内社の養蚕社。棟梁は須須岐水神社と同じく、二代目立川和四郎冨昌。建立年代も同じ頃でしょう。御祭神は大気津比賣神（おおげつひめのかみ）。

正面

扉脇板には「寒山拾得 かんざん・じっとく」。拾得が箒を持ってませんが、多分欠損してしまったのでしょう。

左面

脇障子には虎仙人がいました。滝があるので、これは山を砕き水流を通した「巨霊人虎図」でしょう。

妻飾りには「唐獅子」がいました。

右面

こちら側の脇障子には、これは多分、壺から龍を呼び出す「陳楠」ではないかと思われます。蛇腹を残して龍の他の部分は脱落してしまったのでしょう。

妻飾りには迫力の「龍」がいました。

良い神社でした。

刺青師・龍元

147（2020.07.10）