中郷諏訪神社

中郷諏訪神社覆屋 神社仏閣
中郷諏訪神社覆屋
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和元年葉月吉日、秩父郡横瀬町中郷の諏訪神社に参拝して来ました。境内社クラスの小規模な社殿ながら、精緻な彫り物は町の有形文化財に指定されています。

驚いた事に個人所有で常時一般公開。その篤い志には心を打たれます。

中郷諏訪神社覆屋
中郷諏訪神社覆屋

由緒

安政三年(1856)頃の竣工
主祭神は建御名方神(たけみなかたのかみ)八坂刀売神(やさかとめのかみ)と思われます。
横瀬町指定有形文化財(彫刻)
南向きの神社です。

社号額には「諏訪神社」と「正一位 諏訪 稲荷大明神」とあります。「稲荷大明神」の左側にある「諏訪」の文字が他より新しいですね。改名したという事でしょうか。

諏訪神社社号額
諏訪神社社号額

覆屋の中には二つの本殿があります。こちらが諏訪神社で左側にあるのが諏訪稲荷大明神でしょう。

諏訪神社
諏訪神社

向拝柱には が昇り降りで巻きついています。

諏訪神社
諏訪神社
向拝柱
向拝柱

こちらの の鱗が変わっていて面白いですね。煉瓦みたい。

向拝柱
向拝柱

縣魚には鳳凰で、水引虹梁上には

向拝
向拝

唐破風下太鼓羽目にも

唐破風下太鼓羽目
唐破風下太鼓羽目

扉脇板にも

扉脇板
扉脇板

前も書きましたが、 の昇り降りは目線で決まると言われた事があります。とするとこれは両方とも昇り

扉脇板
扉脇板

海老虹梁にも

海老虹梁
海老虹梁

ここにも

龍頭
龍頭

組物の間には麒麟。二重虹梁上には鳳凰。小さいながら精密な彫りです。

二重虹梁
二重虹梁

脇障子には 唐獅子牡丹

右側脇障子
右側脇障子

獅子 の子育て。

左側脇障子
左側脇障子

小さいながらどっしりとした重みを感じさせる社でした。

隣のお稲荷さんは次回。

刺青師・龍元

コメント

  1. はじめまして、横瀬町の住民のものです。
    今朝、はじめて神社に出会いまして、
    検索したらばこちらのblogにたどり着きました。
    勝手で申し訳ないのですが、リンクさせていただいてしまいました。
    亡くなった父親が墨絵の龍だけを描き続けておりましたので、
    何だか懐かしい気持ちになりました。
    リンク禁止でしたらお手数ですがサイトにコメント頂ければ幸いです。
    どうぞよろしくお願い致します。

    • 龍元 より:

      黒柴かあちゃん様 はじめまして、
      もちろんリンク大歓迎ですよ。
      私は趣味を兼ねて江戸文化の勉強の為に各地の古い神社を廻っています。
      この神社の持ち主は代々受け継がれて来た社殿をきちんと手入れをして公開して下さっておられて、本当に頭が下がりますよね。
      横瀬・秩父の辺りは古い神社が沢山残っているので羨ましいです。

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