令和四年六月中旬 群馬県渋川市の甲波宿禰神社に参拝しました
文安年間(1444-49)川島甲波宿禰神社より勧請
主祭神 速秋津彦命 速秋津姫命
立派な向拝です
兎ノ毛通しには玉巵弾琴
太真王夫人とも呼ばれます
太真王夫人は支那列仙の一なり
王母の少女玉巵なり
一絃琴を弾ずる毎に
即ち百禽飛来するという
時に白龍に乗り周く四海を遊行すという
斎藤隆三『画題辞典』
中備には日本神話から 天岩戸
須佐之男命の狼藉に腹を立てて 隠れてしまった天照大神を誘い出す為に 天鈿女命が踊ります
古事記では胸と陰部をさらけ出して踊り狂う事になってますが こちらは上品に踊る日本書紀が下敷きになっている様です
外の様子を伺う 天照大神
すかさず岩戸を持ち上げる 手力男命
本来ならこの場にいなかった筈の猿田彦命
海老虹梁も立派でした
トゲの代わりに毛が生えている龍
裏側
右側の海老虹梁裏側にも 子龍
右側海老虹梁の外側
脇障子にも彫り物がありましたが ナント!
金網が張ってあります
近くでよく見ると獅子が彫られているのが分かりました
左側脇障子にも金網が張られています
こちらも唐獅子です
どうやら獅子の子落としの様です
鳥獣被害(ときどき人間の被害)から彫刻を守るためには仕方のない事なのでしょう
〜追記(2022.08.28)師匠に頂いた資料によると 御本殿拝殿とも 彫師は武州本庄 武正上総之介源義春だそうです 追記終わり〜
次回は御本殿を紹介します
刺青師・龍元
090-01(2022.07.15)
コメント
onijiiです。
龍の毛は珍ですね。初めて見ました。
金網は最強レベルですね。(笑)
龍は毛が巻毛ではなくフサフサしてますね。
金網は鍛冶屋さんに頼んだ様な、頑丈そうでしっかりとした物でした。金網が暗い色だったらまだ良かったんですが、膨張色で中の彫刻が見えづらく、ピントを合わせるのに苦労しました。でも此処で怯んでいては寺社彫刻探求道を極める事は出来ませんね。