[甲波宿禰神社 其の一 拝殿] の続きです
御本殿右面
幣殿は後から増設された様ですが これは無いんじゃないかと思いました いっその事外して仕舞っておけば良いのに。。。
胴羽目の彫り物は文句なく良いです (縁の色が気になるけど)
これは 武内宿禰 宝珠を得る ですね
龍宮の使いが干珠と満珠を献上する所 一見 小鬼の様に見えます
武内宿禰の物欲しそうな手つきが とても良いです 「クレクレ 早くクレ」
木目がキツくて分かりづらいですが おでこの皺まで表現されています
腰羽目には火除けの犀が彫られていました
この波を見ると 拝殿とは違う彫師だと思います
御本殿背面
脇障子は左右表裏全部 松の木だったので割愛
胴羽目は 彦火火出見命 針を探して龍宮に至る いわゆる山幸彦の話です
兄に借りた釣り針を無くしてしまって 龍宮まで探しに来たのに 豊玉姫と遊んでるうちに釣り針の事なんかすっかり忘れて 数年経って。。。
芳年の「美勇水滸伝 炎出見命」の詞書きには
「炎出見命 兄の釣針をかり給ひ 海辺に釣いとたれたまひ 終に失ひ 兄の怒甚だしきゆへ あかめだいに乗り 針を訪ねんとして 龍宮に至り 思わず豊玉姫と契り 干珠満珠の二ツを得給ふ」
とあります
「思わず豊玉姫と契り」って。。。神様も軽いなあ
僕が豊玉姫の親父だったら絶対許しませんね このトボけた顔を張り倒してやるでしょう
でもさすが海神様 そんな事では怒らないどころか 干珠満珠の手土産まで持たせてやります
僕は人間が練れてないので 意趣返しに玉手箱だったら 少し溜飲が下がるかも知れません
御本殿左面
胴羽目は 神功皇后の鮎釣り占い
右面や背面の胴羽目でも気になっていたのですが 壁側だけ 描き入れた目玉がクッキリと残ってます
刀を持って脇に控える武内宿禰
腰羽目の犀
もう一枚
御本殿拝殿ともに素晴らしい彫り物でした
刺青師・龍元
085-02(2022.07.04)
コメント
onijiiです。
こちらの神社は、トグロを巻いた蛇の手水桶と、
風神雷神が乗る神輿をチェックしてました。
素晴らしい彫刻があったのですね。(笑)
手水鉢は見落としました。神輿は存在すら記憶にございません。人間は見たい物しか目に入りません。