令和六年八月上旬 群馬県川場村の武尊神社に参拝しました。
享保三年(1718)薬師堂として建立
宝暦五年(1755)勧請
享和四年(1804)現本殿完成
彫師 花輪村 星野甚右衛門 (慶助升輿)
御祭神 日本武尊
武尊神社 其の一からの続き 今回は外陣と内陣です。
外陣
外陣の天井には 狩野探雲(1724-1812)画の龍が描かれています。
追記(2024.09.20)「行年八十歳法眼探雲筆」と落款があります。
内外陣境欄間には見事な十六羅漢の彫り物がありました。
羅漢とは正しくは阿羅漢。
十六羅漢とは 釈迦の門において阿羅漢果を覚った十六人を言います。
阿羅漢果とは果物の事ではなく 阿羅漢としての修行を完成して到達した位の事。 煩悩を断って 再び生死の世界に流転しないらしいです。
何の事なのか さっぱりわかりませんが 仏勅を承けて寿命を延長し 永く現世に住し正法を守護する人たちだそうです。
十六羅漢は作例が非常に多く 一人ひとりを同定するのは非常に困難ですが。。。
類聚名物考には 「迦理迦尊者 松の根に倚り左脚を挙げ 右肩を袒ぎ右手を挙げ左手に虎を持す」とあるそうです。
杖を持った羅漢様。
この板には 六人の羅漢様がいます。
中央の欄間には四人の羅漢様と龍がいます。
払子を持った羅漢様。
その奥には合掌した羅漢様。 ちょっと怖い。
小豆色の袈裟を着た羅漢様の持ち物からは 焔なのか煙なのか雲なのか 何かが出ている様に見えます。
持鉢を持ってピースをしている羅漢様。
類聚名物考には「伐闍羅弗多羅尊者 右肩を袒ぎ竜の一角を把り目を怒らせ歯を切て勇力を出すが如き然り」とあります。
ピース羅漢様ひとりで というより 四人で龍と対峙している感じ。
右側の欄間に六人の羅漢様で 合計十六人。
空を拝む羅漢様と ダチョウの玉子を温める羅漢様(冗談です)
もしかしたら 玉子を温めているのではなく漬物石を抱えているのかも(冗談です)
巻物を広げる三人の羅漢様。
なんか楽しそうです。
巌窟の中で結跏趺坐する羅漢様。
彫り物が施された欄間が ぐるりとまわされています。
内外陣境以外の欄間は 全て鳥だったので 詳細は割愛します。
内陣
内陣には須弥壇があり 両隣(余間?脇陣?)には御本殿が鎮座しています。
左の御本殿には彫刻がありました。
幸い お堂の壁には 大きな節穴や隙間がありました。
これは一体何でしょう?
槍を持った武人。頭にやった手は 被り物を押さえているのか 遠くを見ようと額にかざしているのか。。。
煙管を咥えた人。こんなの初めて見ました。貫禄満点です。
背面と右面には 胴羽目彫刻はありませんでした。
右側脇障子には唐子の竹馬遊びがありました。
十六羅漢の欄間も良かったのですが 煙管を咥えた貫禄のある人にすっかり気持ちを持って行かれた感じです。
眼福眼福。
刺青師・龍元
077-02(2024.09.19)
コメント
onijiiです。
こちらの鬼面がお気に入りです。
遠いのですが、2回行きました。
十六羅漢の顔がいいですねえ。
胴羽目の武人もいいですねえ。
口元が緩んでしまいました。
見入ってしまいました。(笑)
実を言うと 私も2回行きました。
鬼面や煙管の武人が良いですね。
羅漢様の顔も良いですね。
鳥の欄間や向拝の龍だけでも行く価値がありましたが、十六羅漢や煙管の武人の前では霞んでしまいました。