彩色が美しい本殿彫刻 [八幡神社] 栃木県

林和靖 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

刺青師・ 龍元をフォローする

令和八年一月中旬 栃木県佐野市の八幡神社に参拝しました。

八幡神社鳥居

御祭神 誉田別命ほんだわけのみこと

八幡神社

玉垣で囲われた春日造りの御本殿。

八幡神社御本殿

御本殿は幣殿で拝殿と繋がれています。

八幡神社御本殿

海老虹梁下には山水画がありました。塗師が描いたのでしょう。

「修復彩色 平成七年七月 小林知雄 謹書」

修復彩色 平成七年七月 小林知雄 謹書

胴羽目は 梅妻鶴子の林和靖りんなせい

梅妻鶴子林和靖

妻子をもたず 庭に梅を植え鶴を飼い「梅が妻 鶴が子」と言って笑っていたといいます。

梅妻鶴子林和靖

でも 日本に子孫がいるので とぼけた顔をしていますが やる事はやっていたのだと思います。

梅妻鶴子林和靖

不在中に客があれば 童子に鶴を放たせて合図にしたと伝わります。

童子

器に入った穀物の様な物を 鶴に与える童子。

鶴と童子

意味深に何かを指差している この子は鼻血を出しているのかと思いましたが 違う様です。

童子

脇障子は盧敖仙人ろごうせんにん

盧敖仙人

ちょっと不思議な形をした亀です。左上方に伸びている物には 甲羅の様な模様が施されていますが 多分これは蓑亀のミノの部分でしょう。左下方に伸びている物は尻尾か。

小林さんは 頭を???にして塗っていたのではないでしょうか。

盧敖仙人

裏側から。

盧敖仙人

30年前の彩色の筈ですが 最近塗ったと言っても通るんじゃないかという位に綺麗です。メンテナンスが良いのかな。

八幡神社御本殿

胴羽目は 西王母せいおうぼ

西王母

西王母は 天界にある瑶池と蟠桃園の主人で 全ての女仙を支配する最上位の女神です。

西王母

西王母の管理する蟠桃園の桃を食べた者は 長生不老が得られると云います。

西王母

あまり食欲の湧く色合いの桃ではありませんね。熟れすぎたのかな。

従者

西王母を見上げる もう一人の従者。さしば(長い柄のついた扇子)の柄は欠損したのでしょう。

従者

左側脇障子は 鯉に乗る琴高きんこう仙人。こちらは裏側。

琴高仙人

龍の子を捕ってくると言って 河に入り 鯉に乗って戻って来たと云います。

琴高仙人

左面胴羽目は 李白観瀑りはくかんばく

李白観瀑

唐代の大詩人 李太白が 廬山の瀑布に臨み 詩を吟ずる様子です。

李白

望廬山瀑布
日照香炉生紫煙
遥看瀑布挂長川 
飛流直下三千尺 
疑見銀河落九天

李白

「廬山の瀑布を望む」
日は香炉を照らして 紫煙を生ず

遥かに看る瀑布の 前川に挂かるを

飛流直下 三千尺

疑うらくは是銀河の 九天より落つるかと

童子

瀑声凄まじく 耳を塞ぎます。

童子
八幡神社御本殿
YouTube 画面の設定⚙️で画質を調整してください

細い道を進んだ 少し辺鄙な所に鎮座します。

八幡神社御本殿

刺青師・龍元

018(2026.03.14)

コメント

タイトルとURLをコピーしました