令和八年一月中旬 栃木県佐野市の八幡神社に参拝しました。

御祭神 誉田別命

玉垣で囲われた春日造りの御本殿。

御本殿は幣殿で拝殿と繋がれています。

海老虹梁下には山水画がありました。塗師が描いたのでしょう。

「修復彩色 平成七年七月 小林知雄 謹書」

胴羽目は 梅妻鶴子の林和靖。

妻子をもたず 庭に梅を植え鶴を飼い「梅が妻 鶴が子」と言って笑っていたといいます。

でも 日本に子孫がいるので とぼけた顔をしていますが やる事はやっていたのだと思います。

不在中に客があれば 童子に鶴を放たせて合図にしたと伝わります。

器に入った穀物の様な物を 鶴に与える童子。

意味深に何かを指差している この子は鼻血を出しているのかと思いましたが 違う様です。

脇障子は盧敖仙人。

ちょっと不思議な形をした亀です。左上方に伸びている物には 甲羅の様な模様が施されていますが 多分これは蓑亀のミノの部分でしょう。左下方に伸びている物は尻尾か。
小林さんは 頭を???にして塗っていたのではないでしょうか。

裏側から。

30年前の彩色の筈ですが 最近塗ったと言っても通るんじゃないかという位に綺麗です。メンテナンスが良いのかな。

胴羽目は 西王母。

西王母は 天界にある瑶池と蟠桃園の主人で 全ての女仙を支配する最上位の女神です。

西王母の管理する蟠桃園の桃を食べた者は 長生不老が得られると云います。

あまり食欲の湧く色合いの桃ではありませんね。熟れすぎたのかな。

西王母を見上げる もう一人の従者。さしば(長い柄のついた扇子)の柄は欠損したのでしょう。

左側脇障子は 鯉に乗る琴高仙人。こちらは裏側。

龍の子を捕ってくると言って 河に入り 鯉に乗って戻って来たと云います。

左面胴羽目は 李白観瀑。

唐代の大詩人 李太白が 廬山の瀑布に臨み 詩を吟ずる様子です。

望廬山瀑布
日照香炉生紫煙
遥看瀑布挂長川
飛流直下三千尺
疑見銀河落九天

「廬山の瀑布を望む」
日は香炉を照らして 紫煙を生ず
遥かに看る瀑布の 前川に挂かるを
飛流直下 三千尺
疑うらくは是銀河の 九天より落つるかと

瀑声凄まじく 耳を塞ぎます。


細い道を進んだ 少し辺鄙な所に鎮座します。

刺青師・龍元
018(2026.03.14)

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