竹内八十吉の彫り物と推定される [伊波保神社 再訪] 長野県

龍 長野県
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和四年四月上旬、長野県上田市の伊波保神社に再訪しました。

伊波保神社鳥居

創建年 不詳
元和三年(1617)水害の為、現地に遷宮
明治十三年(1879)村社岩下村諏訪宮から改称
御祭神 建御名方神たけみなかたのかみ 八坂刀賣神やさかとめのかみ
彫師 竹内八十吉と推定

伊波保神社拝殿

立派な御本殿です。

伊波保神社御本殿

正面扉の脇板は鯉の滝登り。

鯉の滝登り

長野県の神社らしく、縁下は簡素な造りです。

伊波保神社御本殿

その分胴羽目は一流品。

控鶴仙人

鶴仙人の控鶴こうかく

控鶴仙人

黄鶴仙人とか費張房とも呼ばれる様です。

鶴仙人控鶴
伊波保神社御本殿

脇障子には風狂の徒・拾得じっとくがいました。

拾得

もっと顔を良く見たかったのですが、向こうを向いているのでこれが限界です。

拾得

背面に彫り物はありませんでした。

伊波保神社御本殿

左面。

伊波保神社御本殿

胴羽目は琴高乗鯉きんこうじょうり。鯉仙人の琴高きんこうです。

鯉仙人琴高

琴の名手で八百年生きたと云われます。

鯉仙人琴高

ある時、龍の子を獲って来ると弟子達に言い残して水中に入り、約束の日に鯉の背に乗って現れたと云います。

琴高仙人

親指の関節のシワまで表現されています。

琴高仙人

伊波保神社御本殿

脇障子は拾得と対になる風狂僧・寒山かんざん

寒山

目のギョロっとした所がチャーミングです。

寒山

扉の左の脇板の滝を登る鯉。

鯉の滝登り
伊波保神社御本殿

こんな感じの覆屋に納められていて、鑑賞しやすいです。

伊波保神社御本殿覆屋

来る日も来る日も彼方を見つめる仙人たちに、いつかまた会いに来よう。

控鶴仙人

刺青師・龍元

055(2022.04.19)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    素晴らしい!いつまでも眺めていたくなります!!
    巨大な鶴と鯉。この大きさなら乗れますね。(笑)

    上田市には竹内八十吉の彫刻が何ヶ所もあるよう
    ですね。いつの日か行きたいです。

    • 竹内八十吉は間違いなく信州を代表する彫師の1人ですね。江戸から明治にかけて活躍した人の様ですが、ここの仙人たちは百年以上もここで過ぎゆく時を見つめていたのか、なんて浸ってしまいました。

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