令和三年九月中旬、埼玉県さいたま市の膝子八幡神社に参拝しました。
拝殿から覗いた御本殿。
裏へ廻ります。御本殿から透塀まで届く屋根が掛けてあります。
んん？向拝の様子が少し変？
向拝が二重になっているのかと思いましたが、手前のは屋根を支える柱でした。
御本殿右面。
胴羽目は二十四孝から董永。
父の葬儀代金を捻出する為に身売りをした董永の孝行心に感じて、天から遣わされた七仙女。永は七仙女が織った布を売って借金を返す事が出来ました。
二人は愛し合いますが、天上界には人間と結婚してはならないという掟があるので、お別れせねばなりません。
んん？永のお髪や眉を見るとかなりの老人。老いらくの恋でしたか。
縁下には鯉の彫り物。名の知られた名工でも鯉にはあまり興味が無いのか、ヘンテコリンな鯉が多いですが、この鯉はかなりの完成度です。
御本殿背面。
胴羽目は二十四孝から大舜。
両親の虐待に耐え、孝行を尽くす舜。
その姿はまるでイットです。
畑仕事を手伝いに来てくれた象の顔には笑みがこぼれます。
縁下にはこちらも素晴らしい鯉です。
御本殿左面。
胴羽目は二十四孝から楊香。
突然山で虎に出くわします。
私を食べてお父さんを助けて！念じながら虎の前に立ちはだかる楊香。
その姿はまるでイット。
香の父は腰を抜かしているのか、カンフーの構えをしているのか。
他の二面には寄進者の銘がありましたが、この面には「彫工 山田弥吉」とありました。山田弥吉という人は弘化元年（1844）生まれ明治26年（1893）没、本名を山田浅右衛門という大谷本郷村（現上尾市）の宮大工で、上尾市の向山不動堂やさいたま市の冨士浅間神社の彫刻を手がけた人です。埼玉県のサイトに埼玉ゆかりの偉人として紹介されています。
縁下の鯉も素晴らしいです。
隣には社号不明の境内社がありました。
右側脇障子には神功皇后。
左側脇障子には応神天皇を抱く武内宿禰。
向拝には定番の龍です。
渋いです。
ガオー‼︎
見応えのある彫り物でした。
刺青師・龍元
119（2021.09.30）
コメント
onijiiです。
こちらも先日行ったばかりです。（笑）
山田弥吉だったのですか！リストに追加しました。
鯉リアルで、上手ですよね。
何故か象さんの目はこのような目が多いですね。
頭のコブがいいですねえ。（笑）
山田弥吉が埼玉県では偉人の扱いだというのは嬉しいですね。
って山田弥吉を良く知ってる訳ではないですけど。
象の目は邪悪な感じか笑ってるかですよね。
コブの感じはなんか霊獣っぽいですね。
実物を見た事は無かったんでしょうか。
象が初めて日本に来たのは足利尊氏の時代らしいですが。