令和四年十一月中旬 群馬県渋川市の早尾神社に参拝しました
ここは若林純の本にも載っていて 以前から来たかった神社
案内板には「彫刻過多」つまり彫刻多過ぎと書かれています (◞‸◟)
創建年代不詳
文化十四年(1817)本殿建造
彫師 小林源八正信と伝わる
主祭神 須佐之男命
案内板に違わず激密な彫り物 御本殿全体で一つの彫刻です
水引虹梁の持ち送りに鳳凰は珍だと思います
地紋彫りも凄い
御本殿覆屋は大きなガラス窓があり 綺麗に磨いてあるし 明るくて鑑賞には申し分無し
ただしガラス越しの撮影は背景が反射してしまうので 私は穴あきの黒レフ板を使用しています Amazonで¥1,600〜 で売っています 自作する人もいます(私は元々持っていたレフ板に黒い布を張り 穴を開けました)
身舎柱が龍です 地紋彫りや雲が彫られているのはたまに見掛けますが ほぼ丸彫りに近い龍が彫られているのは非常に珍だと思います
海老虹梁の龍も良いですね
波が龍を追い掛けている感じが秀逸です
龍のヒゲには修繕した痕が見えますが。。。おヒゲの先が2本になってしまってます
職人の仕事に文句を付けたくはないのですが 元々はこうなっていたのだと思います まあ誰でも思い込みってのは有りますね 別の人が確認してさえいれば。。。
向拝中備の子引き龍
木階下には蚤取りをする猿の親子 その下は波に兎です
浜床と腰羽目の間(この部分の名称が分かりません)には滝に打たれる獅子がありました
四隅の縁下持ち送りは波に亀です
一間社流造り 向拝一間軒唐破風付 銅板葺き(当初杮葺) 間口148cm 奥行244cm 高さ512cm 素木造り
大虹梁上には鶴 支輪には化け鯉
大棟を支えるのは烏天狗です
胴羽目は韓信の股くぐり
街のチンピラが韓信に絡んできます(チンピラではなく「屠殺者仲間の若者」というのが本当らしいです)
「お前が腰抜けでなかったら その剣で俺を刺してみろ 出来ないのならオレの股をくぐれ」
何も言わずに腹這いになり 股をくぐる韓信
街の人たちは韓信を臆病者と言って笑いました
後に韓信は漢高祖劉邦に仕えて劉邦の天下統一を助け 漢の三傑と称されるまでになります
腰羽目は唐子の凧揚げ
脇障子は灯籠と鹿に紅葉
「彫刻の解説文に彫刻師は小林源八とあるが確証はない」と群馬県近世寺社総合調査報告書にはありました
其の二に続きます
刺青師・龍元
144-01(2022.12.10)
コメント
onijiiです。
前々から行きたいと思ってました。
力神風烏天狗は珍しいですね。
人物の表情が良いですねえ。
猿の親子は柔らかな腕のしなりから
愛情が伝わってくるようです。
素晴らしい!
ここは良く整備されていて綺麗なのでもっと賑やかな立地なのかと思いましたが、駐車スペースもあるし、ひと気が無くて集中できる寂れた良い神社でした。
左側にも天狗と猿がいますが、そちらもとても良いですよ。