令和六年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第二社目 千葉県市原市の若宮八幡神社に参拝しました。
貞観年間(859-877)創建
弘化四年(1847)社殿の彫刻が奉納される
大正期(1912-26)現御本殿再建
昭和六十三年(1988)現拝殿改築
御祭神 大佐佐氣命
彫師 長坂政右工門恒教
向拝軒下太瓶束には力神さまが御坐します。
拝殿は子供の火遊びにより出火 昭和六十三年に改築された様ですので この力神さまは火事を逃れた物を流用したのでしょう。
御本殿右面です。
妻飾りには麒麟がありました。
大虹梁上には波に犀。
彫刻が奉納されたのが1847年 現御本殿が改築されたのが大正期(1912-26)なので こちらの彫刻も流用なのでしょう。
全部なのか 一部が流用なのかは分かりませんが 柱に取り付けられたこれ↓はどう見ても この場所のために彫られた物ではなさそうです。
脇障子は桐の花と鳳凰。
背面は胴羽目部分に彫刻があります。
唐獅子の親子と牡丹です。
これも 元々はどういう所に取り付けられていたのか よく分からない形をしています。
精緻な彫りで 一流の彫師の作品だと思います。私は確認しなかったのですが 拝殿向拝中備の松鷹の裏に 長坂政右工門恒教 の銘があるそうです。
後ろ脚があるので もう化け鯉ではなく 応龍に成りたての 私の勝手な分類では前期型応龍です。
こちらは後期型応龍ですね。凄い迫力です。
左面の妻飾り。
こちらの麒麟も 大迫力です。
大虹梁上の波に犀。
桐の花に鳳凰です。
唐獅子牡丹。
二頭とも突き落とされた様な体勢になっていて もしかしたら元々は この上に親獅子がいたんじゃないかなぁ と推察します。
それにしても この首は一体どういう事になっているのか?
まるで折れた様に首が後ろに反り返っていて 現場でこの彫り物を理解するのに かなりの時間が掛かりました。
腕の良い熟練工の作品の様なので この頭の反り返った獅子は かなり実験的な試みだったのではないでしょうか?
ここはここで 変わっていて面白いと思いました。
刺青師・龍元
002(2024.01.07)
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