令和二年九月吉日、栃木県栃木市の六所神社に参拝しました。
拝殿
社叢に囲まれていて雰囲気の良い神社です。
向拝の龍。大胆な鑿使いで粗いながらもバランスのとれた格好の良い龍。作風から見て、御本殿とは違う彫師の作品だと思います。
御本殿
非常に大きい屋根が掛けてあります。彫刻鑑賞には最適です。
御本殿の屋根の傷み具合を見ると、屋根を掛けたのは割と最近なのかも知れません。装飾は胴羽目・脇障子の他はあっさり目。
胴羽目は鶴がいるので林和靖かと思いましたが、桃があるので東方朔でしょう。西王母の桃を盗んで800年生きたとされる人です。彩色は残念系。
脇障子は虎。この日まで気にもしなかったけど、虎には竹の他、梅を合わせる事もある様ですね。上のギザギザは何だ?笹かな。
背面には独立した画題で3枚の胴羽目がありました。
右側は、父の身代わりに虎に食べられようとする孝行娘の楊香。
真ん中は、黄石公のパワハラに耐え続けて秘伝の兵法書を授かる張良。スケボーやってるみたいですね。
左は瓢箪から駒を出す張果老。
右面は2枚で一組の図柄。
桃と貴婦人で西王母ですね。これで反対側胴羽目の画題が東方朔である可能性がさらに高まりました。
脇障子は龍。う〜ん、、、これは上顎が欠けてしまったのでしょうね。下顎に残っている歯と舌が見えます。
彩色が残念な感じですが、その分お金を大きめの屋根に廻した、という事なのかも。
彩色には彫刻保護の効果もありますしね。
刺青師・龍元
199(2020.09.17)
コメント
onijiiです。
彩色が残念な神社は多々ありますね。
お金があれば専門業者に任せるのでしょうが・・・。
素人さんながら丁寧に塗ってますね。
氏子さんの苦心の彩色のような感じがします。
色の選定は頭を悩ませただろうなあ。(笑)
神社の彫刻は貴重な文化財だと思います。
氏子さん任せになっている所が多いようですね。
後世に大切に残してほしいものです。
そうですよね〜。
氏子さん達からすれば、
「小銭投げるだけでナニ勝手な事言ってんだよ!
こっちは金使って、体使って、頭使って神社維持してんだよ!」
って感じですよね。
本当に頭が下がります。どうにかならないものか。。。