令和三年七月、長野県長和町の諏訪神社に参拝しました。
諏訪神社
鳥居には龍が絡み付いた立派な社号額があります。案内板によると立川流の武内八十吉宣吉、明治八年(1875)の作。
武内(竹内)八十吉は県内の伊波保神社や荒神宮参上神社なども手掛けています。
創建年不詳
御祭神 建御名方命
裏へ廻ります。
案内板によると、御本殿は立川流・翠川文四郎に寛政九年(1797)に建てられたとなっています。二代・立川和四郎冨昌の弟子の様です。
脇障子は竹に鶴。壊れ掛かっているのか、右に寄っています。
長野県によくある、縁下あっさりタイプ。
胴羽目は沙耶形文様。英語では卍パターンと言います。
背面は彫り物無し。
沙耶形は刺青でも着物の柄に良く使います。欧米人、特にヨーロッパ人の中にはナチのマークだと言って嫌う人がいますが、そういう人は日本に来て地図を見たら腰を抜かすでしょう。スワティカの意匠自体はナチより数千年も古いし、世界中で似たデザインが古くから使用されて来ています。
左側の脇障子も竹に鶴。壊れ掛かっています。
正面扉脇には鯉の滝登り。
八幡宮
境内には幾つか社がありましたが、その中に正八幡宮という社号額の掛かった鳥居と御本殿がありました。
少し変わっていて、柱の上で大虹梁を支える組物の他、その中間にも組物があります。〜追記(2021.08.11)過去の写真を眺めていたら、割と普通にありました。見てる様でちゃんと観察出来ていません。追記終わり〜
大虹梁の上には鳳凰の彫り物。
蝦虹梁は波、手挟みには牡丹です。
胴羽目。短冊にしては捻れているので、これは掛け軸でしょうか。
こちらも諏訪神社ほどではありませんが、縁下は割とあっさり目。上部の組み物があるので頭デッカチに見えます。
背面は彫り物無しです。
左面に廻ります。
こちらも大虹梁上には鳳凰。
胴羽目は掛け軸です。
脇障子は左右とも欠損。
小さいですが、諏訪神社より立派に見えました。多分、棟梁も彫師も諏訪神社とは違う人だと思いますが、証拠はありません。
刺青師・龍元
095(2021.08.10)
コメント
onijiiです。
シンプルな作風ですね!
40年以上も前に白樺湖の近くに出張し、
3ヶ月ほど滞在しました。
当時この神社の前を通ったんだなあと、
懐かしくなりました。(笑)
馴染みのある土地に彫り物があったと思うと嬉しくなりますよね。
自分が産まれるより遥か前からそこにあったと思うと感慨深いものが有ります。