名工の仕事と推察される流麗な彫り物 [八幡宮 其の二] 栃木県

須佐之男命八岐大蛇退治 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和八年一月中旬 栃木県 佐野市の八幡宮に参拝しました。

八幡宮 其の一からの続きです。

背面です。

八幡宮御本殿

脇障子は裏側にも彫刻がありました。獅子の子育て。

獅子の子育て

胴羽目は 須佐之男命八岐大蛇退治

須佐之男命八岐大蛇退治

老夫婦と娘が泣いていた。

須佐之男命

須佐之男命が「なぜ泣いているのか」と尋ねた。

須佐之男命

「私の娘は八人いましたが 身一つに頭が八つ 尾が八つある八岐大蛇に 毎年一人ずつ食べられ 今日 最後の娘が食べられてしまうのです」と老父は答えた。

須佐之男命と稲田姫
稲田姫

須佐之男命が酒を八つの瓶に満たして待っていると 八岐大蛇がやって来て 酒に頭を突っ込んで飲み干して泥酔してしまった。

須佐之男命

その隙に須佐之男命は八岐大蛇を十拳剣で切り刻んで退治した。

須佐之男命八岐大蛇退治

八岐大蛇の頭は省略されて 一つである事が多いですが これはきちんと八つ彫られています。瓶も八つ。

八岐大蛇退治

熊谷市の歓喜院 貴惣門の玉巵の龍にそっくりです。

龍
熊谷市歓喜院 貴惣門

脇障子の唐獅子牡丹。

唐獅子牡丹

左面です。

八幡宮御本殿

大瓶束の力神。

力神

吽形ですね。

力神

昔はこの色の鬼を「あお鬼」と言っていたそうです。

力神

胴羽目は黄石公と張良。

黄石公と張良

ある日 張良が橋の袂を通りかかると 汚い老人が 靴を橋の下に放り投げた。

黄石公

『おい若いの 下りて靴を取ってこい』

張良は殴りつけてやろうかと思ったが 相手が老人なので我慢して靴を取って来た。

張良

『履かせろ』

張良は『すでに拾ってきてやったんだから』と考え 老人に靴を履かせた。

『5日後の早朝ここに来い』

張良

5日後の朝 日が出てから張良が行くと老人は既に来ていた。

『遅い!5日後ワシより早く来い』

5日後 再び行くと 老人はまた靴を落とした。

黄石公

その時 大蛇(龍)が現れて靴を取り 張良に襲いかかった。

龍

張良は剣を抜き 剣の光を恐れた大蛇から靴を取り戻して老人に履かせた。

張良

すると老人は張良に一編の書物を渡した。

『これを読めば王者の師となれる』

黄石公

授かった書は太公望の兵法書で 張良は不思議に思いながらもこの書を繰り返し誦読したという。

後に張良は軍師として劉邦の天下統一を助け 漢の三傑と呼ばれた。

八幡宮御本殿

獅子の子落とし。

獅子の子落とし

正面扉脇の龍ですね。

龍

現本殿の製作年・彫師などは分かっているのか いないのか。。。何にしても これだけの物ですから名工の作に決まってますね。

八幡宮御本殿

あの名工の仕事かな〜 もしかしたら一人じゃないのかな〜 なんて想像したりします。

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刺青師・龍元

022-02(2026.04.05)

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