小林源太郎の彫り物 [上野國総鎮守 総社神社 其の一] 群馬県

総社神社 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

刺青師・ 龍元をフォローする

令和七年五月中旬 群馬県前橋市の上野國総鎮守 総社神社に参拝しました。

総社神社鳥居

元和二年(1616)現本殿再建
天保十四年(1843)拝殿再建
彫師 小林源太郎

総社神社拝殿
総社神社拝殿向拝

釣り竿を持って亀に乗る と言えば 浦島太郎。でも服装を見ると 彦火火出見命ひこほほでみのみこと(山幸彦)みたいな感じ。でも彦火火出見命は鰐鮫か赤目鯛に乗りますね。ではこちらは どなた様でしょう?

どなた?

唐破風下には子引き龍がありました。

唐破風下の龍

龍は割と 水引虹梁上が定位置ですが 唐破風下に追いやられて少し窮屈そう。

唐破風下の龍

さすが 源太郎 超絶細密彫り物です。

総社神社向拝

水引虹梁上の中備は 天岩戸あまのいわと

天岩戸

須佐之男命すさのおのみことの乱暴狼藉に腹を立てた天照大神あまてらすおおかみが岩戸に隠れてしまったので 世界が闇となりました。

天岩戸

神々は集まって協議しました。

天岩戸

神々は八咫鏡やたのかがみ八尺瓊勾玉やさかにのまがたまなどを作り 祝詞を奏上しました。

天岩戸

天宇受賣命あめのうずめのみことが踊りました。

天鈿女命

高天原中に鳴り轟くように 八百万の神が一斉に笑いました。

天岩戸

天照大神がいぶかしんで天岩戸の扉を少し開けると 隠れていた天手力男命たじからおのみことがその手を取って岩戸の外へ引きずり出しました。

手力男神

正面扉脇は唐獅子。百獣の王・獅子は 我が子を千尋の谷に突き落とし 這い上がって来た子だけを育てると云います。

獅子の子落とし
獅子の子落とし
総社神社

海老虹梁の子引き龍。

海老虹梁の龍

親龍のお髭がクルクルクルと 三回転。

海老虹梁の龍

実は 裏にもう一匹の子龍がいます。

海老虹梁の龍

右側の海老虹梁。

海老虹梁の龍

こちらの龍も お得意のクルクルお髭。やはり耐久性に難ありです。

海老虹梁の龍

一本の木から削り出してある様に見えます。そうでないとしても 物凄い根気が必要だと思います。

海老虹梁の龍
総社神社

脇障子の手前には通路に続く階段があるので 残念ながら脇障子の下半分が隠れてしまってます。

武内宿禰

左側脇障子の神功皇后と対になっているとすると 多分 これは武内宿禰たけうちのすくねでしょう。

武内宿禰

裏側にも彫刻がありました。

画題不詳

鎧を見る限り 日本の武人の様ですが どういう場面なのかは分かりません。

画題不詳

左側脇障子の裏側も 似た様な感じで武人二人。 対になっているとしても何だかは分かりません。

画題不詳

ここは御本殿にも胴羽目は無いのですが 良い彫刻が非常に充実していて点数もあるので 写真が多くなってしまいました。

其の二に続きます。

刺青師・龍元

061-01(2025.09.18)

コメント

タイトルとURLをコピーしました