令和四年六月中旬 群馬県渋川市の猿田彦神社に参拝しました
非常に小ぢんまりとした神社です
向拝の龍
かなりの名工の作と思われます
御本殿側面には三面とも鏝絵が施されていました
上部には鯉 胴羽目に当たる部分には三国志演義の名場面 網が掛かっているのが残念ですが状態は良好です
後光が差しているのと 懐に何かを抱えているという事から判断して これは趙雲救幼主
劉備玄徳の家臣・趙雲子龍は乱戦の中 行方不明になった劉備の妻・糜夫人と息子・阿斗(劉禅)を捜索 重症を負った夫人と息子を発見します
足手まといにならない様にと自害した糜夫人に阿斗を託されて 趙雲は押し寄せる曹操軍の中を単騎脱出
追い掛ける曹操軍兵士 甲
蹴散らされる曹操軍兵士 乙
背面です
こちらも上部には鯉 胴羽目に当たる部分には三国志演義の名場面 三顧茅廬 いわゆる三顧の礼です 追記(2022.07.21)三国志研究家Kyoさんのサイトによると これは空城計の場面の様です
小屋の窓から見えるのは諸葛亮孔明 琴を弾く諸葛亮孔明
劉備玄徳が 孔明の家を三回訪ねて三回目でやっと在宅していたが孔明はお昼寝中だったという場面
無名でしかもまだ20代の若い孔明に対して 当時すでに天下に名を揚げていた40代の玄徳は 孔明の目が覚めるまで待ったと言います
空城計とは あえて自分の陣地に敵を招き入れることで敵の警戒心を誘う計略の事
「圧倒的に数で勝る司馬懿率いる魏軍に囲まれた諸葛亮は 城門を開け放ち兵士たちを隠して 自らは一人楼台に上って琴を奏でて魏軍を招き入れるかのような仕草をした 司馬懿は奇策を恐れて踏み込まなかった」という話
これは劉備玄徳でしょうか 魏軍の間者です
とすれば こちらは関羽か張飛のはずなんですが どちらにも二人自慢の 関羽の長髭 張飛の虎髭 がありませんね 魏軍の間者です
三国志演義は奥が深いです 追記終わり〜
左面です
こちらも上部には鯉 胴羽目に当たる部分には三国志演義の名場面 長坂橋大喝 長坂の戦いで迫り来る曹操軍を大喝する張飛翼徳です
「燕人張飛 これにあり! 俺と命がけの勝負をしたい奴はいるか!」
五千人もいる曹操軍が張飛のこの一喝でビビります。
我先に逃げ出す曹操軍兵士 丙
恐ろしさのあまりパニックに陥る曹操軍兵士 丁
恐怖で瞳孔が開く曹操軍兵士 戊
張飛の一喝は 銅鑼の様な 声とも音ともつかない響きだったといいます
龍の様な馬も恐い
群集心理とは恐ろしいもので 流石の曹操も動転して恐怖のあまり2kmも退却したといいいます
素晴らしい神社でした 末永く大事にされる事を祈ります
刺青師・龍元
088(2022.07.11)
コメント
おお素晴らしい!
感動ものですね!!
顔がいいですねえ!!!
左官職人さんが鏝を捌いて、
ここまで表現したのですね。
正に超絶技巧・・・。
必ず行こうと思います。(笑)
歯の一本一本、鼻の穴まで表現する超絶技巧ですね。見開いた目や大きく開けた口など、細かい見どころ満載の鏝絵です。網が邪魔ですが、悪ガキ(大人含む)や鳥獣から彫刻を守るためには仕方ありませんね。目を凝らしてじっくりと鑑賞してください。