令和四年五月中旬、千葉県千葉市の鷲宮神社に参拝しました。
創建年代不詳
御祭神 鷲宮大神
拝殿の扉はシャッターで閉ざされ、窓も板で塞がれています。
側面の窓は曇りガラス、御本殿が納められているであろう場所には隙間すら無いので、中を伺う事は出来ませんでした。
それでもここに来たお目当ては二人の羅漢さま。
通常、羅漢さまを同定する事は困難とされているので、どれが誰なのかは彫師にしか(もしくは彫師にも)分かりません。
類聚名物考には、「迦理迦尊者 松の根に倚り左脚を挙げ、右肩を袒ぎ右手を挙げ左手に虎を持す」とあるそうです。
これは虎の耳をほじっているので迦理迦尊者ではないのかも知れません。よく見る構図ではあります。
これは誰かと自分で言っておいて身も蓋もないのですが、この虎の気持ち良さそうな表情を見れば、誰であるかなんて問題ではない様な気もします。
その隣には龍乗り尊者。龍と虎でよくある組み合わせです。
陳楠仙人の様に椀から龍を出す尊者は良く見かけますが、龍に乗っている尊者は初めましてだと思います。
鹿爪らしい顔をしています。
類聚名物考には、「伐闍羅弗多羅尊者 右肩を袒ぎ竜の一角を把り目を怒らせ歯を切て勇力を出すが如き然り」とある様ですので、これはもしかしたら伐闍羅弗多羅尊者かも。
中備裏面には岩や草などが彫ってありましたが、刻銘の様なものはありませんでした。
木鼻は波に亀の見立て獅子。
名の知られた彫師の作品である事は間違いなさそうです。
次はここから直線距離で5、6百メートル離れた生実神社です。
刺青師・龍元
067(2022.05.19)
コメント
onijiiです。
生実神社に行った時に立ち寄りました。
見事な彫刻があるとチェックしてました。
節が頭、珠、腹、膝、龍の目に来てますね。
素晴らしいですね。
現代の彫師が「木目を完璧に計算して狙って彫ることは不可能だけど、偶然を活かす事はある」と言ってました。でも、狙わなきゃこんなに見事にぴったりハマらないだろうっていう様な彫り物を見かけますよね。上手い人はそこら辺の調整のセンスが抜群なんでしょうね。