名工・野本民之助義明 [成田山川越別院本行院] 埼玉県

成田山川越別院本堂向拝 神社仏閣

彫師歴二十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本伝統刺青・和彫りとは古来より連綿と日本に伝わる生きた芸術です。伝統を受け継ぎ、研鑽し、さらに発展させて後世に伝えていく事を目標にしています。古来伝統の手法である手彫りの刺青に興味を持っていただければ幸いです。

刺青師・ 龍元をフォローする

令和二年十二月、埼玉県川越市の成田山川越別院本行院に参拝しました。

成田山新勝寺の別院です。

山門

成田山川越別院山門

見切れてしまいましたが、唐破風兎の毛通しには控鶴仙人。

山門唐破風下

虹梁上には十六羅漢の一人、伐闍羅弗多羅尊者ばじゃらほったらそんじゃ。壺から龍を呼び出しています。道教の陳楠仙人というのがほとんど同じポーズですね。常々思うのですが、元々は同じ神様でどちらかがもう一方に取り込まれた、もしくは影響を受けたのではないでしょうか。

伐闍羅弗多羅尊者 ばじゃらほったらそんじゃ

反対側には虎を可愛がる迦理迦尊者きやりきやそんじゃ。こちらも十六羅漢の一人。董奉仙人に似ていますが、袈裟を着ているので、これは羅漢様。

迦理迦尊者 きやりきやそんじゃ

本堂

成田山川越別院本堂

嘉永六年(1853)廃寺となっていた本行院を再興
大正九年(1920)本堂・山門改築
御本尊 不動明王
彫師 川越住 野本民之助義明

成田山川越別院本堂向拝

仕方がないのでしょうが、残念ながら龍は檻の中。

向拝の龍

裏には「彫刻師 野本民之助 義明之作」と銘がありました。

野本民之助義明

鐘楼

鐘楼の蟇股には四神の彫り物がありました。境内の案内板には本堂・山門は民之助の手によるもの、とありましたが、鐘楼については記述がありませんでした。

鐘楼

南側には南方を守護する朱雀すざく

朱雀

東方を守護する青龍。

青龍 

北側には玄武。

玄武

西側には西方を守護する白虎。どれも素晴らしい出来栄えです。

白虎

出世稲荷神社

こちらにも民之助の壮麗な彫り物がありましたが、また次回に。

出世稲荷神社

大師堂

大師堂の奉納額の龍が渋いです。こちらは明治七年奉納なので、民之助の作ではないでしょう。

奉納額
龍
龍

明治八年奉納の倶利伽羅剣の額。

奉納額

野本民之助義明は明治二十五年(1892)に熊谷で生まれ、川越を拠点として山車や社寺に数々の作品を残し、昭和三年(1928)36歳で夭逝しています。狭山市の狭山八幡神社の拝殿と手水舎も民之助です。

案内板によると、ここ本行院の改築時は民之助28歳、境内社の出世稲荷神社を手掛けたのが円熟期に入った30歳だそうです。

30歳で円熟期に入ったのか。私は齢50をとうに越えましたが、一体いつになったら円熟するのか。。。見えた!と思ったら見失って、掴んだ!と思ったら胡散霧消、って感じです。

精進あるのみ。

刺青師・龍元

300-01(2020.12.29)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    鐘楼の四神がいいですねえ。
    おやこちらにも出世稲荷神社があるんですか?
    うーむ、円熟・・・。
    何でも手を出す自分には、無縁の単語ですね。(笑)

    • 龍元 より:

      出世稲荷は成田山の方にもありますね。

      なんでも手を出すonijiiさんには無限の可能性がある、と言えますね。

タイトルとURLをコピーしました