令和三年五月、埼玉県蓮田市の氷川神社に参拝しました。
元禄二年(1689)創建
享保五年(1720)当地へ遷座
元文三年(1738)本殿建築
慶應元年(1865)解体修理
御祭神 建速須佐之男命
裏へ廻ります。
立派な御本殿がありました。向拝、蝦虹梁、正面扉、胴羽目、腰羽目、脇障子…と彫り物満載です。
御本殿向拝
中備には龍。
蝦虹梁の龍も迫力があります。
御本殿右面
胴羽目は二十四孝から閔子騫。子騫を虐待する継母に怒った父親が継母とその連れ子達を追い出そうとしますが、子騫が仲裁に入り継母は感激し、以後子騫にも優しくなる、という話。ですが…
これを見る限り、継母を庇っているというより、父親に折檻されている様です。まさかその杖で打ち据えられているのか!
腰羽目は二十四孝から董永。父の葬式代の借金を代わりに返してくれた織姫との感動のお別れシーン。その下には応龍です。
御本殿背面
胴羽目は我らが楊香。二十四孝では一二を争う人気です。楊香はビビりの父親を救う為に虎に食べられようとします。
「助けてくれ〜」このお父さんの顔がサイコーです。虎に出くわせば誰でも腰を抜かして当たり前ですね。
腰羽目には二十四孝の大舜。親に殺されそうになりながらも親孝行を続けたので、象と小鳥が畑仕事を手伝ってくれました。
象の背中の小鳥は、畑の雑草を抜いてくれているのではなく、象の背の害虫を食べているので象に感謝されています、きっと。
脇障子は背面から見る構図になっていました。画題は二十四孝の郭巨。老母を養う為に子供を口減らしに埋めようとしたら、親孝行のご褒美にお宝を授かる、という話。
「お〜ヨシヨシ、今パパがあなたを埋める穴を掘ってまチュからね〜、あなたがいるとね〜おばあちゃんの食べ物なくなっちゃうのよ〜、お〜ヨシヨシ」
「ハテ面妖な…何か釜の様な物が出て来たぞ…」
御本殿左面
「あなた…私達の育て方が間違っていたのでしょうか…?」
「コレ!七十歳にもなって、シャンとせんか!」
「…………。」
七十を過ぎて赤ん坊の真似をして両親を喜ばせた(つもりの)老萊子。
「エヘヘ、ドンペリ拾った」
腰羽目は、真冬に筍が食べたいという母親の為に雪山で筍を探す孟宗。天はチャンと見ていてくださいます。
彫り物は見る角度で印象が随分と変わります。
刺青師・龍元
072(2021.06.02)
コメント
onijiiです。
ここは凄いですね!
状況表現や表情が素晴らしいですね!!
どなたの作なんでしょうか?
セリフ冴えてますね!(笑)
いつの日か行ってみようと思います。
石原系という噂ですがね〜、分かりません。
人物の表情がすごく豊かですね。
浮き彫りは見る角度で印象が変わるので面白いですね。