[柳原馬頭観音堂 其の一] の続きです
お堂の側面頭貫上の小壁にはぐるりと彫り物がありました
右面
右面は山鵲や鷹などの鳥だったので割愛します
背面
背面左の小壁も鳥でした
なので いきなり中央の小壁から
これは韓信の股くぐりですね
「腰のその剣で俺を刺してみろ 出来ないなら俺の股をくぐれ」
と挑発された韓信は股をくぐった
という話
大志を抱く者は小さな恥辱には耐えなければならない
という教えだそうです
韓信を笑う傍観者
おお この団扇を持った人には見覚えがあります
↓東京都北区の諏訪神社では
もの凄い貫禄なので 大ボスかと思いましたが
ただの傍観者でしたか
こちらの
肩に猿を乗せた人にも見覚えが
↓埼玉県本庄市の白鬚神社の胴羽目にもいました
首が外れる手品をやっているみたい
次は背面右側の小壁です
天界にある瑶池と蟠桃園の主人であり
最上位の女神・西王母
人の寿命を支配するとも云われます
左面
左面に移って 一番左の小壁は猩々です
孝行息子の高風は夢のお告げから
市場でお酒を売る商売を始めました
市場ではいつも高風から
酒を買い求めて飲む者がいました
呑んでも飲んでも顔色が変わりません
不思議に思った高風が尋ねると
海中に棲む猩々だと名乗りました
ある日 猩々は
汲んでも汲んでも尽きない酒甕 を高風に贈り
逢えた喜び を語り
舞 を舞い
酔いのままに
やがて臥しました
でも それは
高風の夢の中での出来事でした
中央は高砂です
お前百(掃く)まで
わしゃ九十九まで(熊手)
共に白髪の生えるまで
右側は三国志演義の桃園結義です
劉備と関羽と張飛は
生死を共にする義兄弟の契りを桃園で結びます
青龍偃月刀を持ち 長髭をしごく関羽雲長
蛇矛を持つ張飛翼徳
眉間に皺を寄せて気難しそうです
残酷な所もあるけど
豪快でおっちょこちょいで憎めない感じ という
僕の中の張飛とは 随分と違う印象です
真ん中の劉備玄徳は
まあこんな感じでしょう
一人でいたら誰だか分かりませんね
前面
お待ちかね 前面左側の小壁には
我らが楊香の彫り物がありました
山で虎に出くわして
パニックになる楊香と父
孝行娘の楊香は身を挺して父を守ろうとします
由緒板があって 正面から見られないのが残念ですが
斜めから覗くと
虎の頭が首元にあって
楊香絶体絶命のピンチです
もう お父さんしっかりしてくれよ!
右側の小壁は
こちらも二十四孝のレギュラー
郭巨です
キャー!アタシの金ー!
何を言う!ワシが掘り当てたのだからワシの物だ!
何言ってんのよー!
アタシのお腹を痛めて産んだ子を
埋めようとして見つけたんだから
アタシのよー!
僕を 埋めようと したんだよね?
母を養う為に
口減らしに子供を埋めようとしたら
天からお宝を授かった郭巨の話
現代日本では罰せられますので ご注意を
堂内
お堂の天井には見事な絵がありました
見どころ沢山 素晴らしい
馬頭観音堂でした
刺青師・龍元
059-02(2022.05.01)
コメント
onijiiです。
素晴らしい解説ですね。
彫刻鑑賞が楽しくなります。
これからもよろしくお願いします。(笑)
こちらこそよろしくお願いします。
自分でも覚えられる様に書いてますが、1人伝言ゲームみたいな感じで、少しづつ違って来てしまう事があります。漢字の綴りなんかはしょっ中です。なるべく頻繁に確認しているのですが、間違ってたら教えて下さい。