令和五年十月上旬 埼玉県秩父市の猪狩神社に参拝しました。
寛政五年(1793)建立
御祭神 伊弉諾尊 伊弉冉尊 日本武尊
〜追記(2024.01.28)後日 弟子の彫鈴がこの神社を参拝した時に 向拝軒裏の垂木に文字が書かれているのを発見しました。
何やらお経か何かの様に見えます。文字自体には ほとんど掠れた部分が無いので 文字を垂木の各面に彫り込んで 黒く塗ってあったのが 剥がれて来たのではないか と思います。
気が付かないよな〜こんなの。さすが 私の弟子「よく見つけたね」と褒めておきました。
追記終わり〜
裏へ廻ります。
ナント!胴羽目にガラスが嵌っています。 まあ 知ってて来たのですが。
比較的天気が良かった事もあり どこから狙っても周りの木々が写り込んでしまいます。
画題は「韓信の股くぐり」
漢の高祖を助けて天下統一を成し遂げた前漢の武将・韓信は 若いころ街でチンピラにけんかを売られたが じっとこらえて相手の股をくぐり許しを請うた。 大望を抱く者は目前の苦労や恥は、耐え忍ばねばならぬ事のたとえ。
でもこの韓信 お髪がだいぶ後退して来ていて あまり若くは見えませんね。
私の知人に 18才の時に笑っていいともの老け顔コンテストに出て優勝したのがいます。18歳で既に40代後半に見えた彼は いつも初見の大人に敬語を使われて 年がバレた時に気まずいと言ってました。この調子なら韓信も窺い知れぬ苦労があった事でしょう。
屠殺場で働く若者たち。
なかなか気が荒そうです。
ただの見物人のはずですが なかなか存在感のある人たちです。
背面に胴羽目はありませんでした。
二重虹梁間には子引き龍がありました。
左面も胴羽目は無しです。
彫師についての情報は見つかりませんでしたが 人物や龍・獅子などの造形を見ると 一流の職人の仕事である事は間違いないでしょう。
刺青師・龍元
107-1(2023.11.16)
コメント
おはようございます。
更新お疲れ様です。
猪狩神社さんですが、境内社の一番左側の稲荷社にも胴羽目(三条小鍛冶/素盞嗚尊の八岐大蛇)と脇障子(稲荷狐)に彫り物がありますが、そちらは御覧になられましたでしょうか?(もし盗難対策のために伏せていらっしゃるのでしたらその旨は承知しましたのでコメントは消して頂いて構いません)
こんにちは 一魁斎さん
はい そちらにも参拝しました。
たった今アップしましたのでご覧ください。
ご返信、並びに続けての更新
有難うございます!
あと胴羽目の題材、片方が大間違いを
申してしまい失礼を致しました。
実は、猪狩神社さんは狼信仰の調査を
兼ねて今までに何度か参拝していますが、
何分にも最後に参拝をしましたのが
コロナ禍前で、その頃はまだ今ほど
彫り物には熱心ではなかったので、
曖昧な記憶で書いてしまいました。
何卒ご容赦ください。
一魁斎さん コメントありがとうございます。
画題がうろ覚えなのは良くある事です。私も大己貴命と素戔嗚命は同じ引き出しに入っているので、どちらだったか分からなくなる事があります。
ここは狼信仰なんですね。狼の狛犬が有るらしいですが私は全く気が付きませんでした。
見逃しは良くある事なので、これからも教えて下さい。