令和三年二月、群馬県玉村町の角渕八幡宮に参拝しました。鳥居の写真は撮り忘れました。
拝殿向拝には見事な龍がありました。注連縄も立派。
蜘蛛の巣だらけです。
建久六年(1195)勧請
江戸後期 現社殿建造
御祭神 誉田別命
御本殿
見事という他ありません。雨晒しの割には状態は良い様です。
胴羽目、腰羽目、脇障子、浜床下、縁下四隅の持ち送りなど、彫り物満載です。
右面胴羽目は日本武尊の熊襲征伐でしょうか。
脇障子には珍しい彫り物がありました。
十牛図から騎牛帰家。十牛図とは悟りの段階を十に分けた物で、騎牛帰家は第六図。「心の平安が得られれば、牛飼いと牛は一体となり、牛を御する必要もない」という意味らしいです。
腰羽目には唐獅子の親子。
子獅子はちょっと痩せ過ぎと思います。獅子の道はそんなに厳しいのか。
御本殿背面。
胴羽目は黄石公と張良。
緻密で素晴らしい彫りです。
腰羽目。こちらは親獅子も細身。
御本殿左面。
胴羽目は高砂です。こちらは西日が当たるからでしょうか、大きな割れが何本か入ってしまってますね。
脇障子にはこちらも十牛図から、第五図の牧牛。「本性を得たならばそこから真実の世界が広がるので、捉まえた牛を放さぬように押さえておくことが必要。慣れてくれば牛は素直に従うようにもなる」という意味。全く意味が分かりません。
腰羽目は唐獅子の親子。四隅の持ち送りの菊水も豪奢です。
随所に地紋彫りも施されていて、非常に手間の掛かった造りになっています。
状態は悪くないと言ってもやはり雨晒しですから、このまま放っておいたらどんどん劣化してしまうのだと思います。
それにしても、この界隈は彫り物のある神社の数が多いだけでなく、彫り物の質が極上な神社が多いです。江戸末期から明治に掛けて大流行したのだと思われますが、今でもそこに行きさえすれば鑑賞できるというのは幸せな事です。日本人で良かった。
刺青師・龍元
047(2021.03.21)
コメント
onijiiです。
こちらも素晴らしいですね!
獅子がリアルで好みです!!
同好の先輩方、ありがとうございます!!!
日本人でよかった。(笑)
ここら辺は何回も来たいと思わせる神社が本当に多いですね!
埼玉県北部から群馬にかけてと、千葉と茨城の境周辺が数と質の面で物凄いですね。