印象的な女性に遭遇しました [草加神社] 埼玉県

兎 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

刺青師・ 龍元をフォローする

令和二年六月吉日、埼玉県草加市の草加神社に参拝しました。

草加神社鳥居
草加神社拝殿

御由緒

天正年間(1573〜92)氷川神社として創建
天保年間(1830〜43)現本殿造営
明治四十二年(1909)近隣十一社を合祀 草加神社へ改称
平成十六年(2004)現拝殿造営
御祭神
素戔嗚命すさのおのみこと
櫛稲田姫命くしなだひめのみこと

御本殿

参拝を済ませて裏へ廻ります。

草加神社

黒い社殿に錺金具が良く映えます。蝦虹梁はあっさり仕上げ。

草加神社御本殿

御本殿左面

胴羽目は四分割されていました。ここら辺では良く見ますね。

草加神社御本殿左面

左上の羽目板彫刻は一度バラけてしまったものを組み合わせた様ですが、位置関係がちょっとおかしいです。

草加神社御本殿左面

御本殿背面

背面胴羽目も四分割。

草加神社御本殿背面

右上は王子喬。控鶴仙人。

王子喬

左上は李白観瀑と思われます。李白の首が取れてしまっているのが痛々しいです。

李白観瀑

脇障子は背面から見る構図です。左側は西王母。右側は無くなっていました。

西王母

御本殿右面

草加神社御本殿右面

唐子の獅子舞。

唐子の獅子舞

二重虹梁間

二重虹梁間には龍がいました。こちらは左面。

草加神社御本殿左面二重虹梁間 龍

上の大瓶束の根元にある飾りが遠目には獅噛に見えてしまったりして、写真を確認してがっかりしたりします。こういうちょっとした飾りでも彫れる様になるには相当の修行を積まなければならないんでしょうけどね。

草加神社御本殿右面二重虹梁間 龍

手水舎

手水舎にも見事な彫り物がありました。

草加神社手水舎

正面虹梁上には手水舎らしく犀。

犀

これは山鵲さんじゃくかな?

山鵲?

裏面虹梁上には兎。

兎

神社に着いてすぐ、動画を撮ってくれという女性に話しかけられました。

年の頃は私と同じ位、50代でしょうか。厚化粧でしたが身なりは悪くありません。夜の世界のひとかなと思いながら、私は軽い気持ちでOKして、その女性のスマホで動画を撮り始めました。

女性の参拝の仕方は変わっていて、礼をすると踊り出しました。

1分ほど撮った後、私が笑いを堪えながらスマホを返すと、今度は境内社の方も撮ってくれと言い出しました。

「オレも参拝したいんだよね」と言うと、「ゴメンナサイ、お先に済ませてください、待ってますから」と言います。

「時間掛かるよ」

その女性は私が写真を撮っている間しばらく付いてきましたが、ちょっとすると他の人の所に行ったので、私はホッとして彫刻の撮影を続けました。

御本殿の撮影が終わり、手水舎を撮って、最後に鳥居を撮ろうと一度神社を出ると、さっきの女性がまたやって来ました。「動画撮ってください、さっきの背中が曲がってたので。。。」

「神様助けてください」と思いましたが、約束は約束なので動画を撮り、女性がそれを確認している間に逃げる様にトイレへ駆け込みました。

恐る恐るトイレから出ると、女性は授与所の前で人に話し掛けている様でした。多分、他の人たちは最初からおかしいと感じて断っていたのでしょう。

その日女性はこんな調子でずっと誰かに動画撮影を頼み続けていたのでしょうか。

刺青師・龍元

119(2020.06.08)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    この出会いは災難?(笑)

    自分も本殿の脇でメモを取っていたら、声をかけられたことがあります。
    某氏「あのう、建築関係の方ですか?」
    自分「いえ、彫刻を調べています」
    某氏「えっ、どこに彫刻があるんですか?」
    自分「えっ、建物回りは彫刻だらけですよ」
    某氏「何回も来てますが、知りませんでした」
    自分「・・・」
    向拝、向拝柱、海老虹梁、胴羽目、腰羽目等彫刻で囲われてますが、
    関心がないと、建物としか映っていないことが分かりました(笑)

    • 龍元 より:

      人間って見たい物しか見えないもんなんですね。彫刻が見えないなんてって思います。

      電車の中で話し掛けられる事は殆どありませんが、神社では割と有りますよね。それもまた楽しみの一つです。この女性には正直言って尋常でないモノを感じました。

タイトルとURLをコピーしました