詩仙と唐子 [とある社 其の二] 関東

とある神社 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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ある時 関東のとある社に参拝しました。

ここは御本殿が見えないという事でしたが ダメもとで来てみました。すると 割と大きな隙間がありました。

とある神社御本殿

右側胴羽目は梅妻鶴子。宋代の詩人 林和靖りんなせいです。何枚も撮って家で合成。

林和靖

梅と鶴をこよなく愛したと伝わります。

林和靖

山園の小梅

衆芳 揺落して 独り嬋妍せんけん(ここでは梅の事)たり
小園にて 風情を占め尽くす
疎影 横斜して 水 清浅
暗香 浮動して 月 黄昏
霜禽そうきん(ここでは鶴の事)下らんと欲して 先ず眼を偸む
粉蝶 如し知らば 合に魂を断つべし
幸に微吟の相い狎るべき有り
須いず 檀板と金樽とを

童子と鶴

背面はナント 窓が外れていました。

とある神社御本殿

胴羽目は唐子の竹馬遊び。

唐子の竹馬遊び

着物には細かい柄が描かれていた様です。

唐子
唐子

左面です。

とある神社御本殿

胴羽目は李白観瀑。

李白観瀑

唐代の詩人 李白です。

李白

望廬山瀑布(廬山の瀑布を望む)

日は香炉を照らして 紫煙を生ず
遥かに看る瀑布の 前川に挂かるを
飛流直下 三千尺
疑うらくは是銀河の 九天より落つるかと

とある神社御本殿

刺青師・龍元

029(2024.03.22)

コメント

  1. より:

    2019年に参拝した時は、向かって左側面と背面は 障子が破れていたのでそこから中を覗く事が出来ましたが、右側は障子が破れていなかったので、確認することができませんでした。
    右の胴羽目彫刻の合成写真、マニアックですねぇ!!(誉め言葉)
    背面は窓が外れていたとの事、管理されていないのですかねぇ~、まぁ時代の流れですね。

    • 背面胴羽目を良く見られたのは嬉しいですが、早く直して欲しいですね、と勝手な事を言ってみます。雨が吹き込んでしまいますからね。
      お褒めの言葉、ありがとうございます。

  2. onijiiです より:

    onijiiです。
    寂れ具合がたまらないですねえ。
    歴史を感じさせてくれます。

    錺様
    関東のとある神社。
    これだけの情報で所在地を特定
    してしまうとは、凄いですね。
    かいもく見当もつきません。(笑)

    • onijiiさん こんばんは
      寂れた彩色も良いもんですね。
      onijiiさんは数千社回ってますからね。それに、頂いたリストには前からのみとなっていましたから、御本殿を見てない訳ですよね。あとで送っておきますね。

  3. より:

    Onijijiさん
    私は龍元さんのストーカーなので(笑)

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