胴羽目と脇障子には仙人らしき世捨て人 [三柱神社] 群馬県

瓢箪から駒 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和四年二月上旬、群馬県伊勢崎市の三柱神社に参拝しました

三柱神社鳥居

御祭神 倉稲魂命うかのみたまのみこと 誉田別命ほんだわけのみこと 建御名方命たけみなかたのみこと

三柱神社拝殿

気が付かなかったので見切れてしまいましたが
梁の上には、かつての拝殿向拝かどこかにあった物でしょうか
龍の彫り物がありました

三柱神社拝殿内部

御本殿覆屋側面には少し高い位置にガラス窓があり、格子がはまっています

三柱神社

立派な御本殿がありました

三柱神社御本殿

胴羽目は張果老ちょうかろうの瓢箪から駒

張果老 瓢箪から駒

通玄先生とも言います

張果老

びっくりしているというより、呆れたという表情の唐子

唐子

保存状態は極上です

張果老 通玄先生

瓢箪を背負っている 脇障子のこの方はどちらさんでしょう?

瓢箪仙人?

海老虹梁の龍

海老虹梁の龍

海老虹梁の裏側には波が彫られています

海老虹梁の龍
三柱神社御本殿

左面胴羽目のこの方はどちら様

鶏仙人?

手に持っているのはヒヨコでしょうか

?仙人

追記(2024.11.09)これは祝鶏翁しゅくけいおうかも知れません。

晋の祝鶏翁は洛陽の人、山東の尸郷北山下におり、鶏を養うて千余頭に至る。皆名字あり、名を呼べばすなわち種別して至る(鶏に関する伝説 南方熊楠)

三柱神社御本殿

脇障子は鍾離権しょうりけん
列仙伝では羽団扇を持ってゴザに座っていますが
曲亭馬琴は『鍾離権と、画くに、剣を筏にして水を渉る図あり』と書いています

鍾離権 上利劔

さらに馬琴は『権と劔とその音近し』事から、鍾離権と上利劔を同じ仙人と認識していたらしいです

 仙人は難しいですね

刺青師・龍元

038(2022.03.11)

コメント

  1. より:

    覆屋は新しい感じですね、って調べてみましたが記念碑に平成5年と記載がありました、その頃はまだ彫刻に興味は有りませんでしたが、改修前はもっと楽に見る事が出来たのかなぁ?と、まぁ、そんなことを思ってもしょうがないですね、覆屋改築で本殿が見えなくなってしまう事が今後も多々ありそうなので彫刻巡りも急がなくてはと思っています。

    • 覆屋も窓を付けておいてくれればまだ良いですが、完全に覆ってしまうのはやめて欲しいですね。彩色彫刻などは光で劣化するというのは有るのでしょうが、白木の彫り物は公開して欲しいです。芸術や文化財は見せてこそ価値がありますよね。

  2. onijii より:

    onijiiです。
    とても保存状態が良いですね。
    陰影が堪りませんね。
    素晴らしい写真、ありがとうございます。

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