無惨絵![地獄絵図]

閻魔大王 手彫り刺青作品
閻魔大王
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

刺青師・ 龍元をフォローする

地獄絵図‼︎ 

とうとう完成しました。1〜2ヶ月に一回づつ、2〜3年掛かりましたね。でもコツコツやれば必ず終わります。

地獄絵図
地獄絵図

この人は背中にはすでに刺青が入っていて、ベルトから下を 「なるべく残虐な物をお任せで」という注文だったので、 私の好きな題材の一つの「地獄絵図」を彫らせて貰いました。

鬼と亡者
鬼と亡者
閻魔大王
閻魔大王

「閻魔大王」「釜茹で」や「許しを乞う亡者」など、右足は割とオーソドックスな地獄絵図。

釜茹で 許しを乞う亡者
釜茹で 許しを乞う亡者

実は私は当初、右足は地獄にして左足はバランスを取って八人の羅漢さまを入れようと考えていました。ところがこのアイデアは見事に却下。とにかく残虐な物をというお客さんの注文に考えに考えたのが、左足です。

「牛頭(ゴズ)の石抱き」。石抱きとは江戸時代に実際にあった拷問刑の一つです。ギザギザの石の上に座らせて、膝の上に石を何段も乗せていくというもの。オソロシーですね。
牛頭とは文字どおり頭が牛の化け物。馬頭と共に地獄の番人・獄卒で、鬼の原型とも言われています。

牛頭の石抱き
牛頭の石抱き

こちらは芳年の無惨絵をヒントにした「皮剥ぎ」。お客さんは狂喜していました。私も彫っていて胸が悪くなったもんです。

皮剥ぎ
皮剥ぎ

こちらは「馬頭(メズ)」。このままでは亡者たちがただの肉塊になってしまいます。

馬頭
馬頭

「串刺し」これは私が中高生の頃に話題をさらった映画「食人族」の記憶に触発されました。

串刺し
串刺し

「舌抜き」生前、嘘をつくと地獄へ行ってから舌を抜かれます。

舌抜き
舌抜き

「火炎地獄」

火炎地獄
火炎地獄

いつもの事ですが、刺青が完成して嬉しい反面、この人とはお別れなんだなと寂しい気持ちが半々です。 

刺青師・龍元

タイトルとURLをコピーしました