地獄絵図‼︎
とうとう完成しました。1〜2ヶ月に一回づつ、2〜3年掛かりましたね。でもコツコツやれば必ず終わります。
この人は背中にはすでに刺青が入っていて、ベルトから下を 「なるべく残虐な物をお任せで」という注文だったので、 私の好きな題材の一つの「地獄絵図」を彫らせて貰いました。
「閻魔大王」「釜茹で」や「許しを乞う亡者」など、右足は割とオーソドックスな地獄絵図。
実は私は当初、右足は地獄にして左足はバランスを取って八人の羅漢さまを入れようと考えていました。ところがこのアイデアは見事に却下。とにかく残虐な物をというお客さんの注文に考えに考えたのが、左足です。
「牛頭(ゴズ)の石抱き」。石抱きとは江戸時代に実際にあった拷問刑の一つです。ギザギザの石の上に座らせて、膝の上に石を何段も乗せていくというもの。オソロシーですね。
牛頭とは文字どおり頭が牛の化け物。馬頭と共に地獄の番人・獄卒で、鬼の原型とも言われています。
こちらは芳年の無惨絵をヒントにした「皮剥ぎ」。お客さんは狂喜していました。私も彫っていて胸が悪くなったもんです。
こちらは「馬頭(メズ)」。このままでは亡者たちがただの肉塊になってしまいます。
「串刺し」これは私が中高生の頃に話題をさらった映画「食人族」の記憶に触発されました。
「舌抜き」生前、嘘をつくと地獄へ行ってから舌を抜かれます。
「火炎地獄」
いつもの事ですが、刺青が完成して嬉しい反面、この人とはお別れなんだなと寂しい気持ちが半々です。
刺青師・龍元