閻魔さまが笑う [獨鈷山普門院西明寺] 栃木県

獨鈷山普門院西明寺 栃木県
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和三年九月下旬、栃木県益子町の獨鈷山普門院西明寺とっこさんふもんいんさいみょうじに参詣しました。

御本殿

獨鈷山普門院西明寺御本堂

天平九年(737)草創
元禄十四年(1701)本堂改修
御本尊 十一面観世音菩薩

御本堂向拝

内外陣境欄間には彫り物がありました。

内外陣境欄間

左側の欄間は、前漢の旅行家であり外交家の張騫ちょうけん。黄河を遡ってその源流を突き止めた、とか、天の川を遡って牽牛・織女に会った、という伝説が残ります。

張騫ちょうけん

中央は天女。

天女

右の欄間は費長房ひちょうぼう

内外陣境欄間

費長房は経巻を持って鶴に乗る姿が描かれる事が多い様です。ウィキペディアには「壺公ここうに就いて深山に入り修行する(中略)最後に3匹の虫が蠢く臭穢な糞を食すよう求められて遂に上仙を断念(中略)地上の鬼神を支配出来る1巻の護符を授かって帰郷する」とあります。

費長房

外陣は外から見えますが、内陣拝覧は300円との事。

閻魔堂

閻魔堂

正徳4年(1714年)建立
寛穂3年(1743年)再建

中央の格子部分から中を覗くと、笑う閻魔さまと二体の脇侍が見えました。

閻魔大王と脇侍

なかなかユーモラスな閻魔さまです。

笑い閻魔

閻魔大王は地蔵菩薩の化身なので、向かって左には地蔵菩薩の脇侍の掌悪童子。無明を降伏させるのが役目なので、名前に悪という字がありますが、悪い人ではない様です。

悪童子

その奥には奪衣婆がいます。中は薄暗く、この時は「あれ?居ないのかな?」と思って写真は撮りませんでした。

向かって右には掌善童子。法性(仏心)を育てるのが役目です。どっちかって言うと、こちらの方のほうがワルに見えますね。「ヌシもワルよのう」

善童子

その奥にいるのは地蔵菩薩の様です。

机にも彫り物がありました。

波間に唐子と蛇(龍かも)の胴体。

中程には天女の様な女性が二人、向かい合っています。

蛇の胴体の頭はこの人達なのでしょうか?“蛇の胴体で頭が女性” というと、妖怪ヌレ女しか思いつきませんが、流石にお寺でそれは無いですね。

元々は綺麗に彩色されていた様です。

ここを訪れたのは夕方四時チョット前。後で調べたら16時まで、という事だった様です。観光寺院なのに人が全然居ないな〜とは思ったんです。

刺青師・龍元

131(2021.10.23)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    こちらも先日再訪しました。
    もちろん奪衣婆が目当てでした。
    チェックするきっかけになりました。

    机の彫物は小さいので、よく分からず。
    写真を見てなるほどと。
    女性、唐子、蛇身だったのですね。(笑)

    笑い閻魔は元々、怖い顔を彫ったつもり・・・?
    でも笑っているような顔に・・・。
    単なる想像です。(笑)

    • 暗がりにある物や小さい物は後で写真で気付く事が多いですよね。
      奪衣婆は後で写真を見返して「ああ、ここに居るじゃん」と後悔しました。

      私も怖い顔のつもりで彫ったのだと思います。
      でもそのおかげで観に来る人が沢山いるのですから
      何が吉と出るかは分からない物ですね。

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