令和二年十一月、千葉県印西市の大森鳥見神社に参拝しました。
![大森鳥見神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_3782-1.jpg)
この界隈に20数社ある鳥見神社の内の一つ。
![大森鳥見神社拝殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5893-1.jpg)
御由緒
創建年代不詳
崇神天皇御代(BC97~30)創立とする説あり
文久三年(1863)現本殿再建
大正二年(1913)拝殿・煉瓦玉垣建築
御祭神 饒速日命 御炊屋姫命 字摩志眞知命
彫師 後藤縫之助
玉垣が煉瓦造りです。珍です。大正二年の建築だそうです。
![大森鳥見神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5895-1.jpg)
太正ロマンというかレトロな感じですね。スゴく良い感じです。
![大森鳥見神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5901-1.jpg)
彫刻彫師は後藤縫之助。私の中のランキングでは1、2を争う彫師です。
![大森鳥見神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5900-1.jpg)
懸魚には化け鯉。
![化け鯉](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5008-1.jpg)
この力神は縫之助にしては今ひとつな感じです。
![力神](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5004-1.jpg)
胴羽目は常盤御前と三人の息子・今若・乙若・牛若。
![常盤御前](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5001-1-800x531.jpg)
義経の父・源義朝が討たれ、三人の息子達を連れた常盤御前が逃げている場面です。雪の中を歩き疲れて、四人固まって休んでる姿。
おそらく今若であろう奥の子供のアホっ子な顔にシビれます。「お前、状況わかってんのか!」って言いたくなります。群馬の小泉神社にも常盤御前の逃避行の胴羽目があって、あちらの今若は憂鬱な表情でしたが、こちらの今若はさすが縫之助って感じです。
![常盤御前 今若 乙若 牛若](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5015-2.jpg)
木階の下にはひっそりと蝦蟇仙人こと劉海蟾。
![蝦蟇仙人 劉海蟾](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5000-1.jpg)
背面。
![大森鳥見神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5898-1.jpg)
胴羽目は新羅三郎源義光。
![新羅三郎源義光](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_4996-1-800x480.jpg)
笙の名手であった新羅三郎義光は、後三年の役に際して、兄である義家の苦戦を知って、官を辞して応援に向かった。この時、秘曲 の「大食調調子」が廃れてしまうのを恐れて、見送る豊原時秋に伝授した、という話。
![新羅三郎義光](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/Yoshu_Chikanobu_Shiragi_Saburo_and_Tokiaki-800x408.jpg)
服には文様が彫り込まれています。ちょっとデッサンが狂っているのはご愛嬌。縫之助ならではの”あじ”です。
![新羅三郎源義光](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5013-1.jpg)
右面。
![大森鳥見神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5896-1.jpg)
こちらの懸魚には飛龍。化け鯉は飛龍と対になる事が多いように思います。
![飛龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5009-1.jpg)
力神。
![力神](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_4984-1.jpg)
胴羽目は八幡太郎源義家。
![八幡太郎源義家](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_5011-1-800x576.jpg)
こちら側の木階下には鉄拐先生が来るのかと思ったのですが、なぜか鳥。雉でしょうか。
![雉](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_4985-1.jpg)
犀。
![犀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_4999-1.jpg)
縁下組物の間には縫之助一流の唐獅子牡丹がありました。
![唐獅子牡丹](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_4994-1.jpg)
![唐獅子牡丹](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2020/11/IMG_4997-1.jpg)
期待通りの素晴らしい彫り物でした。
刺青師・龍元
270(2020.11.27)
コメント
onijiiです。
こうして写真を見ると、いい雰囲気ですね!
服に紋様まで彫ってあったのですね!!
名工と言われる方の作品はやはり凄いですね!!!
そういう場面の子供の顔でしたか?(笑)
東京駅や横浜赤レンガ倉庫・函館レンガ倉庫もここの玉垣と同じ頃の建設ですね。レンガが新建材として注目されていたのでしょうね。
これがアリなら、どこだかでサイディングの修繕をしていた神社は、後100年くらいしたら「レトロだね〜」なんて言われるかも知れません。
私の縫乃助イチ押しは常総市日枝神社の武内宿禰です。
近所の小学生にこんなアホっ子がいそうですね。手が焼けるけれども放っておけない様な愛くるしさがあります。