令和二年十一月、千葉県印西市の大森鳥見神社に参拝しました。
この界隈に20数社ある鳥見神社の内の一つ。
御由緒
創建年代不詳
崇神天皇御代(BC97~30)創立とする説あり
文久三年(1863)現本殿再建
大正二年(1913)拝殿・煉瓦玉垣建築
御祭神 饒速日命 御炊屋姫命 字摩志眞知命
彫師 後藤縫之助
玉垣が煉瓦造りです。珍です。大正二年の建築だそうです。
太正ロマンというかレトロな感じですね。スゴく良い感じです。
彫刻彫師は後藤縫之助。私の中のランキングでは1、2を争う彫師です。
懸魚には化け鯉。
この力神は縫之助にしては今ひとつな感じです。
胴羽目は常盤御前と三人の息子・今若・乙若・牛若。
義経の父・源義朝が討たれ、三人の息子達を連れた常盤御前が逃げている場面です。雪の中を歩き疲れて、四人固まって休んでる姿。
おそらく今若であろう奥の子供のアホっ子な顔にシビれます。「お前、状況わかってんのか!」って言いたくなります。群馬の小泉神社にも常盤御前の逃避行の胴羽目があって、あちらの今若は憂鬱な表情でしたが、こちらの今若はさすが縫之助って感じです。
木階の下にはひっそりと蝦蟇仙人こと劉海蟾。
背面。
胴羽目は新羅三郎源義光。
笙の名手であった新羅三郎義光は、後三年の役に際して、兄である義家の苦戦を知って、官を辞して応援に向かった。この時、秘曲 の「大食調調子」が廃れてしまうのを恐れて、見送る豊原時秋に伝授した、という話。
服には文様が彫り込まれています。ちょっとデッサンが狂っているのはご愛嬌。縫之助ならではの”あじ”です。
右面。
こちらの懸魚には飛龍。化け鯉は飛龍と対になる事が多いように思います。
力神。
胴羽目は八幡太郎源義家。
こちら側の木階下には鉄拐先生が来るのかと思ったのですが、なぜか鳥。雉でしょうか。
犀。
縁下組物の間には縫之助一流の唐獅子牡丹がありました。
期待通りの素晴らしい彫り物でした。
刺青師・龍元
270(2020.11.27)
コメント
onijiiです。
こうして写真を見ると、いい雰囲気ですね!
服に紋様まで彫ってあったのですね!!
名工と言われる方の作品はやはり凄いですね!!!
そういう場面の子供の顔でしたか?(笑)
東京駅や横浜赤レンガ倉庫・函館レンガ倉庫もここの玉垣と同じ頃の建設ですね。レンガが新建材として注目されていたのでしょうね。
これがアリなら、どこだかでサイディングの修繕をしていた神社は、後100年くらいしたら「レトロだね〜」なんて言われるかも知れません。
私の縫乃助イチ押しは常総市日枝神社の武内宿禰です。
近所の小学生にこんなアホっ子がいそうですね。手が焼けるけれども放っておけない様な愛くるしさがあります。