令和四年二月上旬、群馬県太田市の矢抜神社に参拝しました。

万治一年(1658)分社
御祭神 經津主命

裏に廻ると小さな窓のついた御本殿覆屋がありました。

鉄格子のはまったガラス窓はかなり汚れています。

表側は綺麗に拭き上げましたが、内側はどうにもならず。でも霞が掛かったみたいで雰囲気がよろしい。

胴羽目は菊慈童。

帝の枕を越えてしまった罪で流刑になった菊慈童。哀れに思った帝に授けられた言葉を忘れてしまわない様に菊の葉に記します。その葉から滴る露を飲んで不老不死になりました。

背面に廻ります。窓の中央に筋交があったので正面から撮れませんでした。

胴羽目は鯉仙人の琴高。

琴の名手だった琴高は弟子たちに「龍の子を取ってくる」と言い残して水中に潜って行きました。約束の日になると赤い鯉に乗って帰って来たそうです。

左面です。

胴羽目は張騫。「黄河の源流を突き止めた」とか「天の川を遡って牽牛・織女に会った」とか言われます。

座頭市が刀を抜く所みたい。丸木の上で棹を持って立っている構図は日本特有らしいです。

元々は彩色されていた様ですね。
暗がりの中にボーっと浮かび上がる御本殿は幻想的な感じでした。
刺青師・龍元
040(2022.03.15)
コメント
onijiiです。
窓ガラスが汚れていると、このように上手に
撮れた試しがありません。
なるほど。霞とは上手い表現ですね。(笑)
3年前に寺社周りを始めた頃は、漫画チックな
顔を好んだのですが、あちこち回っている内
にこのような渋ーい顔も好みになりました。
素晴らしいですね。
ここは胴羽目だけライトを当てた様にボーッと浮かび上がる感じで幻想的でした。
超絶技巧という訳では無いですが、味のある秀作ですね。通好みかも知れません。