令和二年五月吉日、栃木県佐野市の根本山神社本社と奥社に参拝しました。
存在は知っていたのですが、大変そうだし、いつか他に行くところが無くなったら行こうと思っていた神社です。
しかし先月、寺社彫刻探求道の師から、社殿が荒廃している事・かなり険しい山奥にある事、を聞き、社殿が崩壊する前・体力が衰える前、に行く事を決意しました。
寺社彫刻探訪の師から話を聞いて私一人では無理だと思い、登山経験のある友人二人にお願いして一緒に行って貰う事にしました。一人だったら上の写真↑の倒木を見た瞬間に諦めて帰っていたでしょう。
本社は沢コースから頂上へ向かう途中にあるのですが、私たちは尾根伝いに一度頂上近くまで登って沢コースへ逆に降りる道順だったので、先に奥社に参拝。
鎖場です。ベテラン登山者に言わせると、この鎖は箔をつけるためだけにあるので無くても良い、という事ですが、これが無ければ私は到底降りられません。しかも雨上がりだったので岩が滑ります。
なんとかたどり着きました。鐘楼の向こうに社殿が見えます。朝の7:15に駐車場を出発、今9:33です。
崖っぷちに建っているというより、巨大な岩の上に乗せてあるという感じ。向かって右側・向こう側・左側の三方が崖ですが、私の感覚で言えばこちら側も崖。
御由緒
天正元年(1573)開山
天保二年(1831)現社殿建立
天保十一年(1840)奥社建立
御祭神 大山祇命 大山咋命
御本殿
金色に輝く御本殿がありました。下地に眩い金箔が貼ってあります。
向拝
持送りには大天狗と烏天狗。あろう事か大天狗の方は凄いピンボケとアサッテの方向が写ってました。
一枚撮る毎に5秒間の確認画面が出る様にカメラを設定しているのですが、この時はその5秒が間怠っこしいったらありません。でも今更設定を変更しようにも、舞い上がっているし怖いしで、そんな余裕はありませんでした。
右面
右面唐破風懸魚には雷神。多分反対側には風神がいたのでしょうが、確認できませんでした。
右面胴羽目は男性と女性。波と魚籠の様な物があり、男性の手つきと二人の視線から言って、魚が釣れた場面ではないかと思います。魚釣りと言えば神功皇后の鮎釣り占いですね。
でも、服装が神功皇后にしてはラフに見えますね。ひょっとしたら、これは猿田彦と天宇受売?それとも他の物語でしょうか。彫り物の下地の金箔が眩しいです。
背面
背面は天岩戸。如意棒と腕を最大限伸ばし、息を止め、シャッターを押す。何十枚も撮りましたが、どれも上手くいきませんでした。あまり夢中になると転落してしまうと思ったので諦めました。
御本殿の左面は諦めていましたが、友人の一人が猿の様にヒョイヒョイと社殿の下の岩場を伝って反対側に回って撮ってくれました。
殆どとっかかりのない所で友人はカメラを構えるのが精一杯。シャッターは私が遠隔操作しました。
覆屋の格子が狭くレンズが入らなかったので何枚かに分けて撮影。なんて書くとすごく段取り良く聞こえますが、カメラの操作方法を説明する暇もなかったので、友人が構えた構図でこちらは片っ端からシャッターを切りました。ここでも例の5秒が間怠っこしいったら無かったです。
これが平地の神社だったらじっくりと一時間くらい掛けて撮影したんですが。。。
帰りはあの鎖を何十メートルも登るのかと思うとクラクラしましたが、下りよりは楽でした。
体力とガッツがあれば、技術的にはそれ程難しくはないですが、登山初心者は一人で行かない方が良いです。初心者の私が先頭を歩かせて貰いましたが、何度も道を間違えそうになり、後ろから注意して貰いました。
一人だったら遭難していたでしょう。
刺青師・龍元
105(2020.05.21)
コメント
ピンボケがあるのでもう一度チャレンジを!! お供させてください!! すいません冗談です、再訪したい気はありますが怖さの方が勝ってしまっています・・・。場所的にも凄いですが彫刻も凄い神社ですね、苦労してまでも訪問する価値は十分にあると思いますが、危険なのでお勧めは出来ないですね。 龍元さんは職業柄怪我でもしたら仕事に影響があるので危険な場所はアウトですね。
再挑戦したいのは山々です。でも、もう行けません。あれが中尾根十字路辺りにあるんだったら何回でも行くんですが。。。ここに比べれば氷室山神社は遠足ですね。
改めてShin-Zさんは凄いなと思いました。
こんにちは。
根本山神社本社に行かれたとは!あそこは本当に素晴らしい神社ですよね。
あ、私はたまたま以前は山登りが趣味だったというだけで、全然凄くはありません(笑)
私は昨年行った時に、こんなに素晴らしい神社なのにいつかは谷底に落ちてしまうのだろうと思い、健在なうちにその姿を存分に拝んでおきたいと思いました。そこで、許されないこととは知りながら覆屋内に入って撮影しまくってきました(;´▽`A“
龍元さんの記事を見て思い出したので、私も近々アップしたいと思います。
はい、本当に素晴らしい神社です。きっとあの神社はあの場所にあるから余計に良いんですよね。良い経験でした。
Shin-Zさんの記事を楽しみにしています。