令和七年一月下旬 山梨県大月市の真木諏訪神社に参拝しました。
創建年不詳
文政10年(1827)現本殿再建
彫師 八王子住 藤兵衛父子 津久井住 杉村清左衛門
御祭神 建御名方命
其の一からの続きです。
御本殿背面

右側脇障子は 旱魃で困る民衆のために 鉄椀から龍を召喚し雨を降らせる 陳楠仙人。

実は裏表同じく陳楠仙人です。でも 着物の合わせの関係もあるし 完全に裏返しではありません。

さらに面白い事に 鉄椀から飛び出した龍が脇障子からも飛び出しています。

表裏で 顔も微妙に違います。

胴羽目は虎渓三笑。あることに夢中になって 他のことを全て忘れてしまう事を言います。

浄土宗の始祖の慧遠は 廬山の寺にこもって 虎渓よりも外に出ないと誓っていました。

ある日 詩人の陶淵明と道士の陸修静が慧遠法師の元を訪れ その帰りを見送るときに話に夢中になっていつの間にか虎渓を通りすぎてしまった。

虎が吠える声を聞いて 初めてそのことに気づき 三人で大笑いをしたと伝わります。

縁下の支輪には不思議な霊獣?がいました。もしかして これはツチブタ?

wikipedia によると ツチブタはアフリカに生息する 豚とは全く関係の無い生き物。

伝説としても日本に伝わっていた形跡はなさそうだし その隣には普通の「波に兎」があったので これは他人の空似 兎が偶然ツチブタに似てしまっただけなのでしょう。

左側脇障子は張果老の瓢箪から駒。こちらも裏表同じく張果老ですが 微妙に違いますね。

白驢に跨り 日に進むこと数万里。休息する時は驢馬を畳んで箱に収めて 用があると水で戻した張果老。

日本では箱が瓢箪 驢馬が馬になって 元々あった「瓢箪から駒」という言葉に結びついたとも 語源になったとも言われます。

御本殿左面

大棟鬼板の鬼面。

右面の鬼に比べると閉じていると感じる程度に口を閉じています。

胴羽目は 司馬温公瓶割。

司馬温公が子供の時 水の入った大瓶で遊んでいて中に落ちた友達を助ける為に 高価な大瓶を躊躇なく石で割ったという話。

「お〜い 大丈夫か〜」と上から声を掛ける友人。

成す術なく ただ見つめる友人。

まるで即身仏の様な友人。

慌てるあまり 首を違える友人。

こちらの方が心配です。

お〜い 大丈夫か〜!


見た事の無い霊獣
入母屋破風にあったこれです。これは背中が見えないので もしかしたら甲羅がある犀なのかも知れません。

しかし左側の破風にあったこれには甲羅がありません。犀なら甲羅がある筈。。。

馬の様な頭に角が2本。。。角が無ければ神馬で良いんですが。
2本の角。。。波かな とも考えたのですが 波なら先端が丸くなっている筈。。。
一体 これは何なのでしょう?誰か知っている人がいたら 教えてください。
刺青師・龍元
030-02(2025.04.26)
コメント
onijiiです。
鬼面が可愛いですね。
木目がいい味出してますえ。
直ぐにでも行きたくなります。(笑)
ここは比較的大きい御本殿なので、望遠レンズ付きカメラか単眼鏡双眼鏡などがあると良いですね。