成田山川越別院本行院の境内社です。
元々社殿は日清紡績川越工場の屋敷稲荷社でしたが、工場撤収時に空宮になったため本行院の出世稲荷神社に遷座した、との事。
大正十一年(1922)社殿製作
御祭神 荼枳尼天
彫師 野本民之助義明
正面扉脇板には登り下りの龍。
民之助30歳、円熟の技が光ります。
これは。。。どなたなのか解りません。
笙を吹いていれば蕭史、鳳凰に乗っていれば梅福とするのですが。。。
脇障子のこれは三条小鍛冶宗近ですね。京都の三条に住んでいた伝説の刀鍛冶です。天下五剣の一つ三日月宗近は国宝に指定されています。勅命で御剣を作らねばならないが相槌がおらず、困って稲荷神社にお参りしたら稲荷神が相槌を打ってくれた、という場面。
反対側の脇障子には、鬼気迫る表情の稲荷神の化身。
頭には狐の冠をつけています。この時に作られた刀・小狐丸は所在不明。
これは蕭史と弄玉だと思います。
笙の名手の蕭史が妻の弄玉に笙を教え込むうちに、笙の音に鳳凰がやって来るようになった。いつしか二人は鳳凰に乗って飛び去った、という話。笙の代わりに縦笛がある事もある様です。
今年はここで最後です。
春頃にこの疫災が長引くと分かり「新型コロナ退散三百社参り」を決断して、なんとか達成致しました。境内社など複数あったものは一社として、再訪問は勘定に入れていません。
寺社彫刻巡りを指導してくださった方々、情報提供してくださった方々、画題などご教示くださった方々、楽しいコメントを寄せてくださった方々、拙ブログを読んでくださった方々に感謝いたします。
まだしばらくは厳しい状況が続くと思いますが、御身体に気を付けて良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願い申し上げます。
令和二年一二月三十日
刺青師・龍元
300-02 (2020.12.30)
コメント
300社は凄い事ですね!!コロナ退散の願掛けでお参りされていたのですね。
彫刻巡り病は健全な病気なので良いですが、コロナは早く治まって欲しいですね。
龍元さんは職業柄密になるお仕事なのでお気を付けください!!
本当に勉強になるし運動にもなるし、健康的文化的な病ですね!この病をうつして下さって誠に有難う御座います。来年は他の病気に用心しつつ、寺社彫刻探求病を重症化させて行きたいと思います。
来年も宜しくお願いします
( ̄^ ̄)ゞ
onijiiです。
顔つきがいいですねえ。素晴らしいですね。
駆け出しの爺に相手して下さって、大変
ありがとうございました。
諸先輩方のおかげで、力神や獅噛、鬼面等の
収集がとても捗りました。また色々と勉強に
なりました。
来年もよろしくお願いいたします。
寺社に行くと、とても心が落ち着きますね。
いい趣味を見つけたものだと喜んでいます。
今年はトップギヤで駆け抜けたので、来年は
シフトダウンしてゆっくりと回りますね。
もちろん彫刻をじっくりと眺めます。(笑)
こちらこそ色々教えていただきありがとうございます。
今年は願掛けもあったので急ピッチで周りました。元々ドライブ好きなので、廻るのは苦ではないのですが、画題を解読するのが大変でした。読み返すと間違い勘違いが沢山あるので、来年はペースを落として丁寧に周りたいと思います。
来年もよろしくお願いします
m(_ _)m
こんばんは、Kyoです。
明けましておめでとうございます。
昨年は龍元さんのインスタやブログを通して、私がまだ見ぬ寺社彫刻の世界の一端に触れることができ、また多くの事を学ぶことができました。
関西は関東と比べ寺社彫刻がかなり少ないですので、どの記事も非常に刺激的でした。本当にありがとうございました。
私もより知見を深めて、寺社巡りを楽しみたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
あけましておめでとう御座います。昨年中はお世話になりました。
最近、吉川英治の三国志を読み始めました。まだ第二巻が終わったばかりですが、関羽や張飛の人物像が自分の中に出来てきて、三国志の彫刻の印象が変わって来ました。ご教示頂いた名場面の彫刻を挿絵に想像しながら楽しく読んでいます。
今年もよろしくお願いします m(__)m