令和六年八月上旬 群馬県沼田市の上久屋神社に参拝しました。
舞殿と拝殿が一緒になった様な形の社殿です。
裏に御本殿覆屋があり 窓には格子と細かい金網が張ってありました。
立派な御本殿が鎮座しています。
脇障子は 烏帽子?を被った唐子が竹馬遊びをしている様です。
右面胴羽目は牛を連れた巣父。
古代中国の伝説の隠者で 堯帝に帝位を譲ろうと言われて 拒絶した高士です。 木の上に巣を作って住んだと云われます。
ある時 巣父は牛に水を飲ませようと 潁川に向かいました。
川に到着すると これまた尭帝に帝位を譲ろうと言われた許由が「耳が穢れた」と言って 自分の耳をすすいでいました。
それを見た巣父は「牛に穢れた水を飲ませるわけにはいかぬ」と引き返したと云います。
牛は水が飲みたかっただろうに。。。と思います。
背面胴羽目は 二十四孝の一に数えられる 大舜。
舜は 継母や義弟だけでなく実の父親にまで 筆舌に尽くし難い虐待を受けます。
時には 殺されそうになった事もあります。
それでも逃げる事なく 父母弟に孝行を尽くしました。
舜のその徳によって 彼が耕す地には象や鳥が来て 彼を助けました。
「神さま ご褒美がショボ過ぎます!」と舜が祈ったかどうかは定かではありませんが
この事を聞き知った尭帝は 二人の娘を特典として付帯する事により 舜に帝位を禅譲する事に成功します。
舜は孝子としては名高いですが 許由や巣父と比べると俗人だったという事でしょうか。
いや ただ虐待から逃れたかっただけなのかも知れません。
長期間に渡って 虐待され続けると 心まで支配されてしまって 自分の力では逃げ出せなくなる事があると言います。
順当に行けば左面胴羽目は許由という事になりますが 残念ながら 覆屋の左側には建物が建っていて窓が無く 胴羽目を確認する事はできませんでした。
大舜と巣父の組み合わせは 高崎市の今宮八幡宮でも見掛けましたが そちらでも あると推定される許由の胴羽目は確認できませんでした。
許由は相当 偏屈なのだと思います。
刺青師・龍元
075(2024.09.05)
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