令和三年七月、埼玉県東松山市の岩殿観音正法寺に参詣しました。
車はお寺の南東側にある駐車場に停めたので、駐車場の下にあるトンネルを潜って境内へ。

巌殿山正法寺
宗派 真言宗智山派
養老二年(718)沙門逸海により開基
天正二年(1574)僧・栄俊により中興開山
観音堂
お目当ては観音堂です。

江戸後期 現観音堂建設
明治十二年(1879)移築
御本尊 千手千眼観自在菩薩

千社札がいっぱい。ここまで来ると壮観ですらあります。

向拝の龍。

目玉の様に見える木目がありますが、違う所に目玉が描かれてあって、少し変な感じ。やはり、予め木目を計算に入れる事は不可能という事でしょうか。それとも彫師は計算して彫ったが、「上を向いてちゃオカシイだろ」と後世の人が変えたのか。

裏側には銘がありました。「明治十六未年十一月 武蔵國高◯郡 中山村彫工 後藤壽信作」と彫られてあります。移築された後に取り付けられたという事になりますね。

正面向かって左の上部。

鹿を追う人。

僧侶。ここは真言宗なので開祖の空海(弘法大師)でしょうか。持ち物が破損してしまっている様です。

空海の伝説を少し調べてみましたが、鹿が出て来る話は見つかりませんでした。空海の伝説は三百以上あるとも三千以上あるとも言われます。

向かって右の上部。

小舟の上で櫓を振り上げる人。

波間でもがく人。

川に落ちた人を助けようとしているのか。。。

この顔を見ると、そういう訳ではない様です。でもお寺だもん、溺れてる人がいたら助けなくちゃなぁ。この溺れている人は実は魔物なのか。それとも空海で、こんな苦労をして偉くなったという偉人伝の一つか。。。

誰か知っている人はいませんか?
〜追記(2021.08.16)これは船子夾山図という禅画だそうです。Shin-Zさんにご教示頂きました。内容は禅の話なので中々難解です。追記終わり〜
まだまだ良い彫り物が沢山あったので、続きは岩殿観音正法寺観音堂其の二へ。
刺青師・龍元
098-1(2021.08.15)
コメント
こんばんは。
こちらはノーマークでした。
情報ありがとうございます
小舟の彫刻は船子夾山図だと思います。船子夾山図または船子和尚で検索してみてください。みどり市の大蒼院にこの彫刻があり、題名も書かれていたので知りました。
この彫刻があるということはこちらは禅宗のお寺でしょうか?だとすると鹿の彫刻も禅宗の逸話なのかもしれませんね。
船子夾山図というのですか。
ありがとうございます‼︎
ここは真言宗なので禅宗ではないと思うのですが。
内外陣境欄間にも良い彫り物があったので、近日中にアップしますね♪
onijiiです。
冒頭の木像の顔が素晴らしいですね!
いい顔してますね!!好みです。(笑)
何か櫂を振り上げて、今にも叩こうと
しているように見えますね。
そんな殺生な!早く助けてーーー。(笑)
ああ、この木像 やっぱりonijiiさんの好みでしたね!
この写真はちょっと宮彫りとは方向が違うけど、なんか味があるので、どういう風に使おうか悩みました。
小舟の話は禅の逸話みたいですね。
Shin-zさんに教えて頂きました♪
それにしても鬼気迫る顔が良く表現されていますね〜