令和三年六月、埼玉県吉見町の元巣神社に参拝しました。
創建年不詳
御祭神 啼沢女命
拝殿向拝には立派な彫り物がありました。
兎ノ毛通しには鳳凰。鶏っぽい頭です。
唐破風下には唐子がいました。今まで、唐子が花車を引いていれば重陽(菊の節句)だと思っていましたが、拡大して見ると葉っぱの形から言って、コレは芍薬か牡丹なので違います。
中備には竹林の虎。独特な感じです。
裏側には彫師の銘がありました。「武州 熊谷町 彫刻師 飯田祐次郎」と彫ってあります。
木鼻の獅子も独特です。
なんと言うか…下手ウマ?何とも言えない味があります。
御本殿覆屋の窓は曇りガラスで内部を覗く事はできませんでした。
手水舎にも彫り物がありました。
妻飾りには雲間を駆ける霊獣・麒麟。
反対側は応龍でした。
大瓶束には邪鬼獅噛み。
微妙に表情が変えてあって↑が吽形、↓が阿形に見えますね。
境内社がいくつかありました。
その内の一つ、稲荷社に立派な彫り物がありました。
超極厚の胴羽目。
脇障子は亀仙人の黄安。
胴羽目は三国志演義から長坂坡趙雲救幼主。趙子龍が行方不明になっていた劉備の嫡子・阿斗を懐に、押し寄せる曹操軍の大群の中を単騎駆けする場面です。
趙雲はここぞって時に助けてくれる、信頼できる家臣。三国志演義の中で私の一押しのキャラです。
蝦虹梁には雲の意匠が彫り込んであります。
右側の脇障子は倒れてしまってますね。
胴羽目は韓信の股潜り。街でチンピラに絡まれて、云われるままに股を潜る韓信。人々は笑ったが、後に張良・蕭何と共に漢の三傑の一人に数えられるまでになります。
超極厚彫りの素晴らしい彫り物でした。
刺青師・龍元
094(2021.08.05)
コメント
きれいに撮れていますね!!怪しいポーズが想像できます(笑)
最後から2枚目の写真を見ると背面にも胴羽目が有りそうですね、肉厚の。
龍元さんの事なので、如意棒を改造して背面も撮影できる手法を検討中なのでは?
この社はドラえもんでもいない限り、背面を撮るのは無理です。。。
onijiiです。
獅噛ありがとうございます。
肉厚の胴羽目ですね!
遠くから見ただけでも口元が緩みます。(笑)
これだけ厚いと脇障子と干渉したりして、泣く泣く削り取ったりした所がありそうです。
こちらは6月に行きましたが、手水舎は全く見てきませんでした。
稲荷社の背面は節穴から撮影してみたところ、
三条小鍛冶と思われる彫刻が確認出来ましたよ。
ほんの一部しか写りませんでしたが(;´▽`A“
三条小鍛冶ですか‼︎ これは是非確認しなくてはいけませんね。254号を良く通るのでその内に再訪してみます。
写真で見るとあれだけ分厚い胴羽目が見えるのに、背面に回った記憶が無いんですよね。いつもは見えなくても覆屋を一回りするんですが。この日最後の神社だったので疲れていたのだと思います。