令和八年一月下旬 栃木県鹿沼市の稲荷神社に参拝しました。

文政七年(1824)再建
彫師 正国

社殿内には御本殿が二棟鎮座。向かって左の御本殿に立派な彫刻があります

脇障子には蘇鉄に狐がありました。

社殿に掲示された令和四年の調査報告書によると 正面扉脇板の裏に「冨田住 正国 彫之」と墨書きがある様です。脇板には登竜門(鯉の滝登り)の彫り物がある様ですが 開けられた扉の影になっていて見えません。

右側の脇障子。

ここに到着したのは 午後5時少し前。一月下旬の午後5時ですから かなり暗いです。

胴羽目は 中国魏晋南北朝時代の詩人 陶淵明。

陶潜とも五柳先生とも呼ばれます。

弦の張られていない琴を携え 酔っては心の中で その琴を奏でたと言われます。

菊の華と柳の葉と酒の組み合わせが多いです。


背面胴羽目は 菊慈童

慈童は穆王の寵愛を受けますが 官人の妬む所となり過失を咎められ 深山幽谷に流刑になります。

哀れに感じた穆王は偈(仏を讃える詩)を与え 慈童は忘れないようにそれを菊の下葉に記しました。

その菊の葉の露は谷の水に滴り 病気が治る霊泉となって麓の村へ流れました。

800年の月日が流れ 霊泉の調査にやって来た勅使が 少年の姿をした慈童を発見します。

慈童は菊の露を飲んで 不老不死の仙人になっていたのです。


左面胴羽目は 李白観瀑。

唐代の大詩人 李太白が廬山の瀑布に臨み 詩を吟ずる様子です。

「廬山の瀑布を望む」
日は香炉を照らして 紫煙を生ず
遥かに看る瀑布の 前川に挂かるを
飛流直下 三千尺
疑うらくは是銀河の 九天より落つるかと

「望廬山瀑布」
日照香炉生紫煙
遥看瀑布挂長川
飛流直下三千尺
疑見銀河落九天



と一回りしてから 念の為 大瓶束を覗いてみたら ありました。

力神さま。

右側も覗いてみましたが 何も見えませんでした。

が PCで補正してみたら 足の影が写っていました。

もう少し頑張れば もっとマシな写真が撮れたと思うと残念ですが 見えない物を撮るのは難しいモノです。
刺青師・龍元
032(2026.06.08)

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