令和七年十一月上旬 山梨県上野原市の軍刀利神社に参拝しました。

永承三年(1049)創立
延徳年間(1489-92)現地遷座
御祭神 日本武尊

御本殿は一間社入母屋平入。非常に立派な屋根が架けられています。

正面唐破風懸魚は応龍です。

向拝中備の子引き龍。

左側から。

身舎には彫刻がびっしりです。

正面扉脇右側の龍。


左側の龍。



右面

胴羽目は玉巵弾琴。

西王母の娘の玉巵は 一絃琴を弾ずる毎に沢山の鳥が飛来し 時に白龍に乗り四海を遊行するといいます。

怖いです。

ホラーです。

でも楳図かずおを彷彿とさせる様な 不思議な魅力があります。

玉巵が弾く琴の音に聞き惚れる龍。

従者の女の子たちも怖い。

寄り目が怖さを強調しています。

左面
背面に彫刻は無かったので左面に廻ります。

胴羽目は林和靖。

妻子をもたず 庭に梅を植え鶴を飼い「梅が妻 鶴が子」といって笑っていた と言います。

なのに 林和靖の子孫とされる林浄因という人が 室町時代に渡来して日本式饅頭を考案しました。

林和靖の7代後の子孫だそうです。

なんだかんだ言って 林和靖も人の子。やる事はやってたと思われます。

アルセーヌ・ルパンや金田一耕助も 生涯独身を貫いた とされていましたが 孫がいましたね。

林和靖は 来客があれば 童子に鶴を放たせた と言います。

亀もいますね。

鬼面
正面唐破風鬼板には受け口の鬼がいました。


大棟鬼板にも鬼がいました。

こちらも受け口ですね。

左側も受け気味吽形の鬼。

見えづらいですが サリーちゃんのパパみたいな髪型です。

完成度の高い御本殿の装飾彫刻。さぞかし名のある彫師の作品なのだと思います。
刺青師・龍元
076(2025.12.21)

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