ホラーな玉巵に魅せられて [軍刀利神社] 山梨県

玉巵弾琴 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年十一月上旬 山梨県上野原市の軍刀利神社に参拝しました。

軍刀利神社鳥居

永承三年(1049)創立
延徳年間(1489-92)現地遷座
御祭神 日本武尊やまとたけるのみこと

軍刀利神社

御本殿は一間社入母屋平入。非常に立派な屋根が架けられています。

軍刀利神社御本殿

正面唐破風懸魚は応龍です。

兎ノ毛通の応龍

向拝中備の子引き龍。

向拝の龍

左側から。

向拝の龍

身舎には彫刻がびっしりです。

軍刀利神社御本殿

正面扉脇右側の龍。

正面扉脇の龍
正面扉脇の龍

左側の龍。

正面扉脇の龍
正面扉脇の龍
軍刀利神社御本殿

右面

軍刀利神社御本殿

胴羽目は玉巵弾琴ぎょくしだんきん

玉巵弾琴

西王母の娘の玉巵は 一絃琴を弾ずる毎に沢山の鳥が飛来し 時に白龍に乗り四海を遊行するといいます。

玉巵弾琴

怖いです。

玉巵

ホラーです。

玉巵

でも楳図かずおを彷彿とさせる様な 不思議な魅力があります。

玉巵

玉巵が弾く琴の音に聞き惚れる龍。

龍

従者の女の子たちも怖い。

従者

寄り目が怖さを強調しています。

従者

左面

背面に彫刻は無かったので左面に廻ります。

軍刀利神社御本殿

胴羽目は林和靖りんなせい

林和靖

妻子をもたず 庭に梅を植え鶴を飼い「梅が妻 鶴が子」といって笑っていた と言います。

林和靖

なのに 林和靖の子孫とされる林浄因りんじょういんという人が 室町時代に渡来して日本式饅頭を考案しました。

林和靖

林和靖の7代後の子孫だそうです。

林和靖

なんだかんだ言って 林和靖も人の子。やる事はやってたと思われます。

鶴と童子

アルセーヌ・ルパンや金田一耕助も 生涯独身を貫いた とされていましたが 孫がいましたね。

童子

林和靖は 来客があれば 童子に鶴を放たせた と言います。

鶴

亀もいますね。

亀

鬼面

正面唐破風鬼板には受け口の鬼がいました。

鬼面
鬼面

大棟鬼板にも鬼がいました。

鬼面

こちらも受け口ですね。

鬼面

左側も受け気味吽形の鬼。

鬼面

見えづらいですが サリーちゃんのパパみたいな髪型です。

鬼面
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完成度の高い御本殿の装飾彫刻。さぞかし名のある彫師の作品なのだと思います。

刺青師・龍元

076(2025.12.21)

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