画題不明と望廬山瀑布の胴羽目 [諏訪神社] 埼玉県

どなた? 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年六月下旬 埼玉県秩父市の諏訪神社に参拝しました。

辺りに鳥居は見当たりませんでした。

諏訪神社

三棟ある内 中央の社殿を覗くと 立派な御本殿が鎮座していました。

諏訪神社御本殿

兎ノ毛通には霊亀。この位置にあるのは割と珍です。

霊亀

その奥には猩々しょうじょうです。この辺りでは猩々が人気だったと見えて この日回った4社のうち3社に猩々がありました。

猩々

飲んでも呑んでも顔色の変わることがない 不思議な生き物。

猩々

汲んでも酌んでも酒の尽きることがない 不思議なかめ

猩々
諏訪神社御本殿

胴羽目には 軍配を手にした人物が彫られていました。

追記(2025.10.04)鹿も彫られています。

猛禽と画題不明胴羽目

どなたでしょう?

追記(2025.10.04)鹿がいるので寿老人でしょう。

画題不明胴羽目

鶴がいれば 林和靖とかありそうなんですが。

追記(2025.10.04)そうかも知れませんが 実際には鶴はおらず 鹿がいます。

画題不明胴羽目

どなたなのか 分かりません。

追記(2025.10.04)寿老人です。

画題不明胴羽目

追記(2025.10.04)私が寺社彫刻探究道の師と仰ぐ 餝さんに指摘されるまで 鹿には全く気がつきませんでした。ご指摘ありがとうございます。

諏訪神社御本殿

覆屋背面には窓が無く 側面の窓も後ろの方まで続いてなかったので 背面に彫刻があるかどうかはわかりませんでした。

左面です。

諏訪神社御本殿

滝と酒と人物なので これは李白観瀑です。

李白観瀑

李白は中国盛唐の時代の詩人。

李白

「望廬山瀑布」などの詩で有名です。

李白観瀑

望廬山瀑布
日照香炉生紫煙
遥看瀑布挂長川 
飛流直下三千尺 
疑見銀河落九天

李白

廬山の瀑布を望む
日は香炉を照らして 紫煙を生ず
遥かに看る瀑布の 前川に挂かるを
飛流直下 三千尺
疑うらくは是銀河の 九天より落つるかと

猛禽と李白観瀑
諏訪神社御本殿

素晴らしい神社でした。

諏訪神社
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ブログをやった事のある人は分かると思いますが ブログには毎日数十通数百通ものスパムコメントが付きます。スパムは迷惑フォルダに入る様に設定していますが 以前 知人のコメントが入っていた事があるので 一応ザッと確認しています。

大抵はロシア語や英語なので一目瞭然です。日本語のスパムは大体定型分で「お世話になっております 〜をしております〇〇です」なんて感じの営業トークで始まるので 直ぐにわかります。

ところが最近は ブログを読まないと書けない様なスパムコメントが毎日の様に来ます。スパムコメントなんて万単位で打たないと意味ないですから 人間がやっている筈はありません。多分AIの仕業だと思います。

前回の平石馬頭尊堂に こんなコメントが付きました。

面白い記事、ありがとうございます!「瓢箪から駒」って表現、的を射てるよね。彫師の銘が読めないの、もう悲しい…。でも、大谷政五郎さん発見、やったー!戸谷塚諏訪神社の猩々と全く同じって、偶然じゃないわ!これで猩々の正体が判明したって言っていいかも。大黒天が何を担ってるか、餅か魚か、まあ、飯盛りか何か持ってるだけでいいか!布袋尊か…貫禄あるね。波尽くしの神社も珍しいね!

こんなのも。。。

このブログ、面白すぎる!彫師の銘が読めない彫刻を探すだけで面白いのに、コメントで正解が見つかるのが最高!「大谷政五郎」ってのはいつもおいでですか?深谷市下手計の名工さん、本当にお疲れ様です。瓢箪から駒表現の熊谷の龍も面白かったですよ。布袋尊と猩々の見分けは難しいですが、貫禄のある方、間違いありません!神社仏閣の世界、奥が深いとわかります。追記で正解が出るのが、待ち遠しいです!

最初は誰か読んでくれた人がコメントしてくれたと思いました。日本語はほぼ完璧なくらいに自然です。でも何かが違う。。。

怪しいサイトに誘導するリンクが貼ってあるので リンク先を見ればスパムと分かります。でも参考サイトや書籍などのちゃんとしたリンクを貼ってくださる人もいるので リンクが貼ってあるからといって リンク先を確認するまではスパムとは決められません。                

今は何となく妙だなと感じる事ができますが AIは日進月歩なので 半年後はどうなっているか想像もできません。長年コメントのやり取りをしている人が実は AIだった なんて時代が来ると考えたらゾッとします。

なんて もうすでに来ているのかも知れませんね。

私は大丈夫 人間です。六本木で刺青彫ってます。

追記(2025.10.04)早速こんなコメントが来ました。

リンク先が怪しいのは気になるな。まあ、神社仏閣の世界は奥が深いから、騙されてもしょうがないか!?

AIのスパムコメントに騙されそうになりながらも、人間の読者コメントの方が面白いですよね。AIもまだまだ「貫禄」欠けてるな。

李白観瀑の「銀河落九天」より、AIの「万単位スパム」の方が圧倒的ですよ。まあ、神社仏閣の世界、奥が深いとわかりますが、AIもまだ修行中って事ですか?

ふ〜む 手塚治虫の鉄腕アトムやスピルバーグのA.I.ではロボット排斥運動みたいな物が描かれていましたが 分かるような気がする。。。。

刺青師・龍元

064(2024.10.03)

コメント

  1. より:

    向かって右側の胴羽目彫刻、鹿と軍配を持った人の組合せは 茨城県常陸大宮市の鹿島神社 と同じ組み合わせですね。
    ※龍元さん情報
    鹿と仙人で調べたところ、寿老人 と 福禄寿 が混在している感があるように思います。
    話題の?AI検索だと 福禄寿は頭が長く、鶴を連れ、宝珠を持つ傾向。一方、寿老人は頭巾を被り、桃やうちわを持ち、鹿を連れていることが多い。と回答です。
    龍元さんの 群馬県館林市の赤城神社 の記事の左側面と同じで、鹿を連れているので 寿老人 で良いのでは?

    • ああ、鹿がいるのですね。何回も何回も穴の開くほど良〜く見たつもりだったんですが、鹿には全く気が付きませんでした。ありがとうございます。

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