刺青で人気の般若。皆さんは般若と聞くと鬼を連想するかも知れませんが、元々は仏教の言葉、パーリ語のパンニャーの漢語訳で仏の智慧という意味です。鬼とは関係ありません。
よく目にする鬼女の面を般若という様になったのは、一説には般若坊という僧侶が作った面だから、というのがあります。
般若は恐ろしい鬼の様に見えますが元々は人間の若い女性。その表情には怒り、悲しみ、嫉妬、苦悶、の四つが表されていると言われ、情念に狂った挙句に鬼になり果てた自分の姿を恥じている様にも見えます。
般若面を使う能で代表的なものの一つに道成寺という悲恋物語があります。いわゆる安珍と清姫の伝説ですね。
あらすじはこうです。
安珍という旅の僧侶がいた。清姫は許されないと知りながら安珍と恋に落ちてしまった。安珍は逃げる。清姫は追いかける。
追いかける内に可愛さ余って憎さ百倍。遂に清姫は大蛇となって安珍を焼き殺してしまった。
壮絶ですね。
ところで般若には段階があって、一般的に般若と聞いて連想するものはまだまだ途中経過。生成り・中成り・本成り、の内の中成りに当たります。
あなたの奥さん・彼女は今どの段階ですか?
刺青師・龍元