刺青師の事を彫師と言ったりします。これは刺青を入れる手元が、彫刻や版画の彫刻彫り師に似ている事から来ている、と言われています。元々は手彫りだからこそ彫師なのです。
手彫りという言葉は昔はありませんでした。手で彫るより他に方法が無かったからです。海外からタトゥーマシンが入って来て、機械彫りと呼ばれて、それに対しての手彫りです。
手彫りには刺し棒と呼ばれる、針を括り付ける為の棒を使います。ノミと言ったりもしますが、ウチでは刺し棒です。
別に割り箸でも良いのですが、職人の道具です、耐久性や作業性を考えたら、当然ちゃんとした物の方が良いです。 長時間作業する訳ですから、自分の手に合わせて自分が使いやすい様に自分で作ります。長さもや材質も人それぞれ拘りがあります。それから見た目も大事。
メインで使っている二本です。
右が紫檀製で左が黄金檀製です。木目を活かして“透き”で仕上げてあります。
出張などには主にこの三本を持って行く事が多いです。
写真では解りづらいですが、こちらの二本は下地に銀のフレーク、仕上げにベニダメという透明な赤を塗ってあります。光の加減で色味が変わって美しいです。二本とも黒檀製。半年前にレストア済み。
こちらは彫鈴が作ってくれた刺し棒。柄の部分はアンティーク傘の柄だそうです。
これは鹿の角。ほとんど飾り物、見た目重視の一品です。コレも彫鈴お手製。
今何本か製作中なので、また機会があれば書きますね。