私の手彫り道具

刺し棒 刺青道具
刺し棒
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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手彫りの棒、これはノミだとか台だとか色々な呼び名があるようですネ。ウチでは刺棒と呼んでいます。

私はこの刺棒を自作してます。昔、お客さんに仏壇屋さんがいたので、黒檀と本漆で専門の職人さんに作って貰った事もありますが、自作の方が手に馴染むし愛着も湧くってモンです。

木材は仏壇屋さんで分けて貰った黒檀と紫檀。樫の木も使った事がありますが、黒檀と紫檀が重さ的には一番しっくりきます。ただ、削るのは一苦労です。黒檀や紫檀は水に沈むほど密度が高く、刃物は歯が立ちません。なので私はベビーサンダーと木工ヤスリを使って削ります。

長年使っているとキズが入ったり、いつも握る所がすり減ってくるので、レストアする事にしました。

水ヤスリの細かいヤツで磨いて小キズを取り、気持ち薄めた「紅溜」を塗り数日乾燥させます。

刺し棒

取り敢えず一回目。

塗りと磨きを数回繰り返してキズが無くなったら最終仕上げに薄〜いうるしを塗って完成。飴のような光沢が出るハズです。下地に銀のラメをまだらに塗ってあるので、濃い紅色とラメの模様が美しいっス。


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