令和三年新年巡礼二十二社目、茨城県龍ヶ崎市の熊野神社に参拝しました。
御祭神 事解之男命 速玉之男命 伊邪那美命
一説によると現社殿は寛永四年(1627)造営という事で、約四百年前。日光東照宮は1617年創建、1636年に改築されて今の姿になったという事ですから、ほぼ同じ時代の建物ですね。
かなり傷んでます。
脇障子は両側とも欠損しています。
正面の小壁は龍。スライスされてしまってます。古い神社で稀に見掛けますが、これは板を貼り合わせて厚みを出していたって事でしょうか?それともただ単に木目に沿って割れたって事?
水引虹梁上。稲妻があるので雷神でしょうか。だとしたらチョット珍しいと思います。これもスライスされてしまってます。
扉は唐獅子牡丹。小さいですが綺麗な形の獅子です。これもスライス。
ここの前に参拝した香取八幡神社と同じく、扉が身舎の内側に引っ込んでいます。
右面胴羽目。これもスライスされてしまっているので分かりませんが、尾の形から言って孔雀ではないかと思います。
背面胴羽目は沙耶柄 紗綾形の地紋彫りに桐紋。
左面胴羽目は鳳凰でしょうか。これもスライス。背後の植物は、花は梅の様ですが、葉っぱは何でしょう?太めの紅葉の様な。。。普通は鳳凰には桐なんですが、唐獅子と牡丹の組み合わせほど厳密ではない様に思います。
この神社の見所は二重虹梁の力神さまです。何とも言えない良い顔をしています。右肘が損傷。これはスライスというより、木目に沿って割れたという感じです。
吽形の力神さま。こちらも何とも言えない顔です。
参拝した時には年配の方数人で周りの竹林の伐採中でした。「氏子の方ですか」と声を掛けると「いいえ」という返事。ここら辺では竹林の荒廃が問題になっている様ですから、近所のNPOの方かも知れません。
「彫刻が凄いですね」と続けると「???」という感じでした。
刺青師・龍元
022(2021.02.10)
コメント
onijiiです。
400年も経っているのですか!
スライスはたまに見かけますね。
多分木目で割れたのだと思います。
顔が欠損した力神が何ヶ所かあります。
残念・・・。諸行無常・・・。
こちらの力神はとても個性的ですね。
勝手に出目金と名付けてます。(笑)
400年前というのは、伝聞なので「一説によると」にしたのですが。。。あまりはっきりした資料は見つかりませんでした。
彫刻が盛んになるのは江戸中期から後期にかけてなので、400年前の神社にしては彫り物があり過ぎる様な気もします。なのでもっと新しいかも知れません。
出目金はうまいですね。さすが力神探求家ですね。
ここの力神は今までの中で三本指に入ります。もちろん一番は栃木県小山市の大川島神社です。