世界中で高評価を受ける日本伝統刺青。最大の特徴である額彫りについて解説。第3回目。脚の額の形について。
伝統刺青額彫り2からの続き
脚の額
本来は、背割り・胸割りやドンブリの場合に足を半ズボン・長ズボンで入れるのが伝統的な入れ方です。
私がこの世界に飛び込んだ二十数年前は、年のいった人に
「昔の人は肩だけ入れるなんて事は無かった、みな背中から始めたモンだ」
なんて事を言われましたが、肩だけ五分七分で入れる事も今ではすっかり定着しました。
同じ様に足だけ額でというのは私はまだ抵抗があるのですが、外国の人からそういう注文が入る事もあります。そのうちに日本人の間でも定着するのでしょうか。
脚の額の形
まず、胸割りの場合。
タイコ
胸からお腹にかけてのミキリをそのまま下へ伸ばし、腿の裏側へタイコ状にする。この形はドンブリでは私は見た事はありませんが、不可ではないと思います。
以下、胸割り・ドンブリ共通です。
半ズボン
裾の長さは自由ですが、あまり短いと変でしょう。まあ、好みです。稀に背割りで半ズボンにする人もいます。
脚七分
腕と同じ様にこれも正確に七分という事でなく、膝とくるぶしの間という事です。
長ズボン
もしくは九分とも言います。くるぶしまで彫る人もいますが、くるぶしは年月が経つとどうしても色が薄くなりがちなので、ちょっと上で見切るとミキリが綺麗に見えます。
足袋
中には足の甲まで額で入れて足袋の様にする人もいます。
伝統刺青 額彫り4 に続く
刺青師・龍元