伝統刺青 額彫り3

タイコ 総論
タイコ
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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世界中で高評価を受ける日本伝統刺青。最大の特徴である額彫りについて解説。第3回目。脚の額の形について。

伝統刺青額彫り2からの続き


脚の額

本来は、背割り・胸割りやドンブリの場合に足を半ズボン・長ズボンで入れるのが伝統的な入れ方です。

私がこの世界に飛び込んだ二十数年前は、年のいった人に
「昔の人は肩だけ入れるなんて事は無かった、みな背中から始めたモンだ」
なんて事を言われましたが、肩だけ五分七分で入れる事も今ではすっかり定着しました。

同じ様に足だけ額でというのは私はまだ抵抗があるのですが、外国の人からそういう注文が入る事もあります。そのうちに日本人の間でも定着するのでしょうか。

脚の額の形

まず、胸割りの場合。

タイコ

胸からお腹にかけてのミキリをそのまま下へ伸ばし、腿の裏側へタイコ状にする。この形はドンブリでは私は見た事はありませんが、不可ではないと思います。

タイコ

以下、胸割り・ドンブリ共通です。

半ズボン

裾の長さは自由ですが、あまり短いと変でしょう。まあ、好みです。稀に背割りで半ズボンにする人もいます。

半ズボン

脚七分

腕と同じ様にこれも正確に七分という事でなく、膝とくるぶしの間という事です。

脚七分

長ズボン

もしくは九分とも言います。くるぶしまで彫る人もいますが、くるぶしは年月が経つとどうしても色が薄くなりがちなので、ちょっと上で見切るとミキリが綺麗に見えます。

長ズボン

足袋

中には足の甲まで額で入れて足袋の様にする人もいます。

伝統刺青 額彫り4 に続く

刺青師・龍元

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