令和二年十一月、千葉県匝瑳市の飯高神社に参拝しました。
妙福寺の裏山に鎮座します。
階段を登ります
登り切ったと思ったらまだ先に階段があります
やっと到着。
御祭神 天之御中主神
延享四年(1747)建築という説あり
向拝の龍
写真で見るよりかなり大きい社殿なので、つっかえ棒がもの凄い景観です。そのうちに崩落してしまうのか。。。地震国だもんな。。。
玉垣
玉垣の透塀欄間には二十四孝に取材した見事な彫り物がありました。数では今までで一番!
↓黄庭堅 詩人の黄庭堅は使用人が多く、妻もいたが、母の大小便器を自ら素手で洗い、朝から晩まで母に仕えた、という話。おい!もしかして屎尿をそこに捨てる気か!
↓大舜 継母と実父に殺されそうになりながらも良く仕えたので、象と小鳥が畑仕事を手伝ってくれた、という話。むむむ、小鳥ではありませんね。象と同じくらいの大きさの怪鳥が二羽。これは心強い。
↓黄香かなと思います。母を亡くした黄香は父に良く仕え、夏は枕や椅子を扇いで冷やし、冬は父の布団を自分の体で温めた、という話。2つの場面が並んでて、ちょっと解りにくい。
↓父が蚊に刺されない様に隣で裸で寝た、という呉猛かな?親父は野球中継でも見ている様な感じだし、呉猛は座っている様に見えるけど。
↓70歳になっても赤子の真似をして両親を楽しませた、老萊子。
↓指を噛んでる人物と柴の束があるので、曾参。曾参が柴刈りに出ている間に急な来客があり、母が指を噛んで念じたら、曾参にテレパシーが通じた、という話。
↓丁蘭。死んだ母を想って作った木像を妻が焦がしてしまったので、丁蘭は木像を大通りに移して、三年もの間、妻に詫びを入れさせた。孝行話というより、家庭内パワハラ・モラハラの話。大通りですから近所で噂になった事でしょう。今だったら、週刊誌やワイドショーの格好のネタ。
↓田真兄弟。親の遺産を三人で分けるのに、庭の木も三等分にしようとしたら木が枯れてしまい、この木は切るのやめようと決めたら復活した、という話。
↓母を養う為に口減らしに赤子を埋めようとしたら、お宝ザックザクの郭巨。お釜が大きい!
↓帝なのに、母の食事を自ら毒味したり配膳したりした、漢の文帝。
↓楊香 山で虎が出てきたので「私を食べて父を助けて」と念じたら虎は行ってしまった、という話。
↓郯子は、眼病を患う両親のために眼病に効く鹿の乳を絞ろうと、鹿の皮を被って鹿の群れの中にいた。危うく撃ってしまいそうになった猟師に怒られている場面。「人殺しになる所だっただろ!」
↓陸績(多分)。人のうちでオヤツに出された蜜柑を懐に入れていたのを咎められて、「母に食べさせたかった」と言い訳をしたら許してもらった、という話。
↓母が雷嫌いだったので、その死後も雷がなる度に墓に駆けつけた王裒。
↓連れ子ばかりを贔屓して閔子騫に意地悪な後妻に怒って、後妻と連れ子を追い出そうとする父親をなだめる閔子騫。
↓奴隷になる条件で金を借りて父親の葬式を出した董永、かな? 天帝が遣わした織姫が機織りをして借金全部返して、今お別れの感動シーン。なのかな? 脇にある蓑と鍬は何だろ。
↓母のために毎日遠くまで水と魚を獲りに行っていた姜詩だったが、ある日家の脇に川が流れて来て、水も魚も楽に獲れる様になった、という話。
↓蔡順 飢饉のとき、母に熟れた桑の実、自分に熟れてない桑の実と選り分けていたら、それを見た盗賊が感動したという話。中央の人は腰に剣を差しているみたいだから盗賊の一味かな?『親分、この牛の足と米、本当にこの若造にやっちまうんですかぃ?』
↓張孝兄弟。弟の張禮は盗賊に食べられそうになったが、母に食事をさせるために一度帰宅してから戻ってきた。兄の張孝も来て「私の方が太っているから私を食べて弟を助けて」「私が最初にした約束だから」と二人で死を争ったので盗賊に許してもらった、という話。昔の中国には人喰いがいたのかと思うと恐ろしい。
↓タケノコを食べたいという母のために、雪に覆われた地面を掘る孟宗。真冬にある筈のないタケノコを発見してギョッとしている所。
↓二十四孝 定番中の定番、一番人気、一番解りやすい、歯の無い姑に乳を飲ませる唐夫人。
全部で21枚。ここまで来て3枚足りません。全部あって欲しかったなぁ。
府馬愛宕神社の玉垣と比べると解りにくかったですね。かつては欄間一枚一枚に解説が付けてあった様ですが、半分くらいの解説は失われていて残ったものもボロボロでした。なので間違ってるものもあるかも知れません。
御本殿にも胴羽目などに見事な彫り物がありましたが、また次回。
刺青師・龍元
287-01(2020.12.15)
コメント
onijiiです。
21枚もの解説大変お疲れさまでした。
寺社彫刻初心者必見!
どういう訳か21種類?うーん残念!!
後三つで揃ったのに!!!(笑)
二十四孝は何百年も前の話なので、非現実的な
話が多いですよね。
彫物の解説とユーモアあふれる現実的解釈は
とても面白いです。
毎回楽しみにしてます。(笑)
簡単な解説をつけると私自身の勉強になります。この辺りは二十四孝が多かったので、今回の千葉遠征は本当に勉強になりましたよ!
彫師や下絵を描いた人によって表現や解釈の仕方が違ってて面白いですよね。二十四孝にはすっかりハマりました!