左甚五郎作除災の龍に護られる [上行寺] 神奈川県

上行寺向拝中備 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年四月下旬 神奈川県鎌倉市の上行寺に参詣しました。

上行寺山門

正和二年(1313)創建
御本尊 三宝祖師

上行寺

向拝中備の鶴。これだけ立派な鶴の中備はなかなかありません。

向拝の鶴

海老虹梁の龍。左外側から。

海老虹梁の龍

内側から。

海老虹梁の龍

Wikipedia 上行寺(鎌倉市)岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所 上行寺 によると 「熊本藩の大名細川氏による竜の彫物」だそうです。

海老虹梁の龍

細川氏が彫ったのか 誰かに彫らせたのかは この記述からは分かりませんが まぁ普通に考えたら 大名である細川氏が誰かに彫らせたという事なのでしょう。

右側海老虹梁の龍。

海老虹梁の龍
海老虹梁の龍

他に十二支の蟇股などがある様でしたが ご覧の通りマニア泣かせの不透明波板が張り巡らせてあって 意気消沈。

上行寺

でも ここのお目当ては 山門の梁にある 「左甚五郎作 除災の龍」です。

左甚五郎作 除災の龍

左甚五郎というのは 日光東照宮の有名な「眠り猫」の作者で 安土桃山時代から江戸末期にかけて日本全国各地に彫刻を残した伝説の彫師ですね。

左甚五郎作 除災の龍

彫刻よりも 長生き伝説の方が凄いんじゃないかと思いますが 実際の彫り物を見てみると 単に「小っちぇ」というのが正直な感想。でも非常に緻密な彫り物です。

欠損してしまっている様ですが 脚の本数から推して2匹以上の龍が彫られている様です。

左甚五郎作 除災の龍

山門の鬼板には龍の頭がありました。

龍

反対側です。阿吽にはなっていない様です。

龍
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刺青師・龍元

053(2025.08.06)

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