令和六年九月下旬 秋田県横手市の八坂神社に参拝しました。
明徳から応永年間(1390-1427)創建
明治四十四年(1911)五社を合併 八坂神社となる
彫師 中島重栄 通称 玄吉・真流軒・義龍とも称した
御祭神 水波女命 鳴雷神 須佐之男命 天照皇大神
御本殿です。
向拝には応龍がありました。
反対側から。
ここの前に行った日吉神社の龍↓と似ています。
海老虹梁は松に鷹。
日吉神社の記事では 海老虹梁に鷹があるのは この辺の定番かも知れない みたいな事を書きましたが ここと同じ彫師だとすると 単にこの人の好みというか十八番だっただけかも知れません。 この後に行った 同じく中島重栄が手がけた社の海老虹梁にも 松に鷹 がありました。
胴羽目は龍。
上部組物間にも龍です。
縁下には波だけの彫り物が多数。脇障子も波のみでした。
背面です。
胴羽目は波と雲のみ。丸い波が直線的に連続する印象的な波は 中島重栄の特徴らしいです。
左面です。
組物間の龍。
胴羽目の龍。
力神
いよいよ 力神さまです。右面前。
軒下に鎮座します。
ん?胸に焦げた様な跡が。。。
焦げではないのかな?
右面後です。
日吉神社では 右面後は吽形でしたが こちらは阿形。
鬼面の場合は 宮彫師とは別に鬼面師というのがいたりしますが 力神さまの場合はどうなんでしょう?
これも中島重栄の作なのでしょうか?
左面後
この力神さまが一番好みです。
落ち窪んだ眼窩は 減量に苦しむ力石徹を彷彿とさせます。
シビれます。
やはり 力神さまは 吽形が似合います。
無駄口を叩かず 何十年何百年の間 ただ黙って屋根を支え続けます。
左面の前。
参拝者を射すくめる様な眼差し。
まるで忍者のような居住まい。
何か粗相があれば すぐに飛び掛かって来そうです。
力神の本場 出羽国の旅は まだ続きます。
刺青師・龍元
086(2024.11.05)
コメント
onijiiです。
力神のルーツは法隆寺五重塔を支える
邪鬼だと思います。
長い年月の間に、全国各地に様々な形態
に変様して行ったものと推察しています。
秋田の力神は、リアルさが堪りませんね。
秋田県は栃木県同様、力神が大流行した
地域。
両県とも80ヶ所ほどチェックしています。
こんなのがあちらこちらにあるのなら、
遠いけれど行くしかないですね。(笑)
やはり軒下の丸彫りの力神さまは迫力がありますね。
岩手や新潟もそうですが、雪深い土地は大きくて存在感の有る力神さまが多いですね。
ぜひ直接会いに行ってみてください。