日本神話 三大名場面 [上俣野神社] 神奈川県

上俣野神社御本殿向拝 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年四月下旬 神奈川県横浜市の上俣野神社
かみまたのじんじゃ
に参拝しました。

上俣野神社鳥居

欽明天皇代(539-71)創建
安政三年(1856)再建
明治三十二年(1899)現社殿改築
御祭神 須佐之男命 欽明天皇

上俣野神社

拝殿を兼ねた御本殿覆屋。構造上は彩光に問題はなさそうですが ここに着いたのは午後5時過ぎなので 中はかなり暗いです。

上俣野神社御本殿

御本殿向拝

上俣野神社御本殿向拝

中備の龍。

向拝の龍

作風としては かなり精緻で 他の彫物も緻密な物が期待できます。

向拝の龍

龍の上の支輪?には麒麟の浮き彫りがありました。

麒麟

唐破風下には邪鬼型力神。

邪鬼型力神

扉脇板は登り下りの龍です。

扉脇の龍
扉脇の龍

屋根がよく見えませんが 多分 春日造りです。

上俣野神社御本殿

大きな唐破風を支える向拝柱から伸びる繋虹梁上にも 立派な中備がありました。

牛若丸 鞍馬山にて剣法を修す

牛若丸 鞍馬山にて剣法を修す」

牛若丸

横にいるのは 鞍馬山僧正坊です。

鞍馬天狗

父・源義朝が討たれ 鞍馬寺に預けられていた御曹司牛若丸。

牛若丸

父の仇を討つために 鞍馬天狗の指導のもと 夜な夜な剣法・兵法の修行に励みます。

小天狗

神社は南を向いている事が多く 右面は東向きになります。なので この時間だとかなり暗いです。

上俣野神社御本殿

繋虹梁中備は 「玉巵弾琴ぎょくしだんきん」。

玉巵弾琴

西王母の末娘・玉巵が一絃琴を奏でると たちまち百禽飛来し 

太真王夫人

龍がその音色に聞き惚れると云います。

龍

御本殿右面

上俣野神社御本殿右面

胴羽目は「日本武尊やまとたけるのみこと の東征 草薙剣くさなぎのつるぎ」。

日本武尊 草薙剣

景行天皇に東方征伐を命じられた日本武尊は 相武国さがむのくに(現静岡県)で欺かれ 野火攻めに遭いました。

日本武尊

そこで天叢雲剣あめのむらくものつるぎで草を薙ぎ払い 火打ち石で向かい火を起こして脱出します。

日本武尊

この事から天叢雲剣は別名・草薙剣くさなぎのつるぎとも呼ばれる様になった と云います。

御本殿背面

上俣野神社御本殿背面

胴羽目は「天岩戸あまのいわと」。

天岩戸

須佐之男命の乱暴狼藉に腹を立てた天照大神あまてらすおおおかみが 岩戸に隠れてしまったので 世界は闇となりました。

天鈿女命と猿田彦命

記紀では ここに居なかった筈の 猿田彦神さるたひこかみですが 寺社彫刻や浮世絵では ほぼ必ず居ます。

猿田彦命

神々は協議し 岩戸の前で天鈿女命あめのうずめのみことが踊りました。日本書紀では踊るだけ 古事記では胸や陰部を晒して踊り 神々が笑います。

天鈿女命

天照大御神がいぶしんで天岩戸の扉を少し開けると 隠れていた天手力男神たじからおのかみがその手を取って岩戸の外へ引きずり出しました。

天照大神 手力男命

御本殿左面

上俣野神社御本殿左面

胴羽目は「須佐之男命すさのおのみこと 八岐大蛇退治やまたのおろちたいじ」。

須佐之男命 八岐大蛇退治

須佐之男命が「なぜ泣いているのか」と尋ねると「身一つに頭が八つ 尾が八つある八岐大蛇に食べられてしまうのです」と答えました。

櫛名田比売

そこで須佐之男命は 八つの瓶に酒を満たして待ちました。

須佐之男命

すると 八岐大蛇がやって来て 酒に頭を突っ込んで飲み干して泥酔してしまいました。

八岐大蛇

その隙に 須佐之男命は八岐大蛇を十拳剣とつかのつるぎで切り刻んで退治します。

須佐之男命 八岐大蛇退治

このとき 尾を切ると中から大刀が出てきました。これが 天叢雲剣 のちに草薙剣 と呼ばれ 三種の神器の一になります。

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胴羽目は日本神話の三大名場面。向拝の龍を見て期待した程には 精密な彫物ではありませんでしたが 見応え十分の神社でした。

もっと明るい時間に再訪したいと思います。

刺青師・龍元

057(2025.08.28)

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